巨人野上亮磨投手(34)が今季限りで現役を引退することが25日、分かった。

今季は9試合に登板し、0勝1敗1セーブ、防御率1・65と安定した投球でチームに貢献したが、5月18日の広島戦で右肩痛を発症。約5カ月間、必死にリハビリを続けたが、回復は難しく、引退を決断した。近日中に正式に発表される。

絶望的なケガから、1度は復活した。19年10月、フェニックスリーグの試合中に左アキレス腱(けん)を断裂。同月に手術を受けた。同手術から復帰した投手の前例は少ない中、懸命のリハビリを経て、昨年6月の楽天との2軍練習試合で240日ぶりに実戦復帰。昨季は自身初の1軍登板なしだったが、今季は605日ぶりに1軍に戻った。

中学時代は控え投手だったが、進学した神村学園高で花開いた。練習試合はバス1台で全国各地を転戦。投手は野上ほぼ1人で、完投を重ねる中で進化した。初出場だった3年春のセンバツで準優勝。決勝で敗れた夏の県大会は右肘痛を抱えながら投げ抜いた。

150キロの速球はなくても、多彩な球種と丁寧にコーナーや低めにボールを集め、2度の2ケタ勝利を挙げた。打者を観察しながら、クレバーに勝負。プロ13年間で通算254試合に登板し、58勝63敗、4セーブ、防御率4・03の成績を残した。元モーニング娘。で妻の梨華夫人、2人の息子とともに新たな道に進む。