25年ぶりにリーグを制したオリックスの投打の中心選手、山本由伸投手（23）と吉田正尚外野手（28）、杉本裕太郎外野手（30）のタイトルが確定した。30日のロッテ－日本ハム25回戦（ZOZOマリン）で、パ・リーグのレギュラーシーズン全日程が終了。山本は最多勝利（18）、最優秀防御率（1・39）、勝率第1位（7割8分3厘）、最多奪三振（206）の4冠独占で、吉田正は2年連続の首位打者（3割3分9厘）、最高出塁率（4割2分9厘）、杉本は初タイトルとなる最多本塁打（32本）を手中にした。
山本の4冠は06年ソフトバンク斉藤和巳以来で、球団では初。巨人沢村栄治（37年春）や同スタルヒン（38年秋）、同江川卓（81年）らに肩を並べ「4冠取られた方の名前とか見るとすごい方がたくさんいて、喜びを感じました」と快挙を振り返った。4完封もリーグトップで実際は5冠となる。シーズン最終戦の25日楽天戦（楽天生命パーク）で4安打完封し15連勝で終えた。来季に向けて「開幕戦を任せていただいたのに勝つことができなかったので、そこは来年リベンジしたい」と目標も口にした。
昨年まで1軍定着に苦労していた杉本はプロ6年目で覚醒し、ロッテ・レアード、ソフトバンク柳田らを抑えて本塁打キングに。「本塁打王になれたことはもちろんうれしいですが、パ・リーグのいいピッチャーたちから打てたのは自信になります」と喜んだ。
「ラオウ杉本」の愛称は、すっかり全国区になった。登録名の「ラオウ」への変更も実はひそかに考えたと明かしたが「やめときます」ときっぱりと断念。「『北斗の拳』ファン、ラオウファンに失礼だなと思って。それくらいラオウって偉大だと思うので。名前も忘れられるかもしれないので、杉本でいきます」と、自身のヒーローへの強い敬意をのぞかせた。
また右尺骨骨折でリハビリ中の吉田正は、球団を通じて「チームとして優勝できたということが一番ですが、打撃タイトルも1つの目標にしていたので、素直にうれしく思います。しかし、もう1つの目標の全試合を戦い抜いてのタイトルではありませんので、そこをまた来年の課題に頑張っていきたいと思います」と、受賞の喜びと新たな目標を明かした。【堀まどか】
