天理大がシーソーゲームを制して15年以来6年ぶりの明治神宮大会出場まであと1勝とした。

4-4で迎えた9回。先頭の福本万真(かずま)外野手(3年=法隆寺国際)が初球のカットボールを振り抜き左翼へサヨナラ本塁打。生還するとベンチ前ではナインから抱きしめられて祝福を受けた。「打った瞬間いったと思った。先頭で初球にストライクを取られると苦しくなるので、絶対に振ろうと思った。うれしいです」と振り返った。大学通算2本目は貴重な1発となり、笑顔が弾けた。

斎藤佳紳投手(1年=近大泉州)、碓井涼太投手(4年=天理)、真城翔大投手(2年=高知商)、本間悠貴投手(2年=大冠)と4投手の継投で、大量失点は許さず、勝利をアシストした。

10月31日の1回戦とはオーダーを入れ替えて挑んだ一戦で神宮へと王手をかけた。藤原忠理監督(56)は「このトーナメントは全員野球が必要。いろんな選手を見定めて、大事な一戦でかためられたら」と意図を説明。殊勲打を放った福本については「身体能力の高さを買っている。それを開花させるトーナメントになってくれれば」と期待を寄せる。

2年前は2連勝で神宮に王手をかけてから2連敗。あと1歩で届かなかった経験がある。さらに、この試合では1回に本盗に成功した友杉篤輝内野手(3年=立正大淞南)が4回の守備で左足をケガして交代。今秋リーグ戦では不動の「3番遊撃」としてチームを引っ張ってきたが、離脱することが濃厚だ。

2年前はベンチ外だった福本は「2年前もショートがけがをして崩れた。2年前と同じようにならないように、明日は粘り強い試合をして、最後に1点でも多く点を取って神宮に行きたい」と2日に行われる関西第1代表決定戦へ意気込んだ。