「今のうちに友達と遊んでおきな」。「家にいるのが好きなんで」。DeNAドラフト1位の市和歌山・小園健太投手(18)が6日、和歌山市内のホテルで入団交渉し、契約金1億円、年俸1320万円で仮契約。サプライズ同席した三浦大輔監督(47)から「遊びのススメ」を受けた。誰もが喜びそうな提案だが、インドア派の小園は「あまり遊ぶのが好きじゃない。家が好きなので」。珍しいねじれ現象が起きた。

三浦監督は新横浜から新幹線と特急くろしおを乗り継いだ。95年3月12日オープン戦の近鉄戦(紀三井寺)以来、26年ぶりに和歌山に降り立つと「遊べるうちに遊んでおいた方がいいよ」と助言を送った。「この期間は一番楽しい時間でしょう。高校野球が終わって、プロ入りが決まって」。毎日試合が続くプロは、オンとオフの切り替えが大事。入寮後は練習に没頭する環境になるため、親心だ。

小園は現在も後輩に交じり、毎日3時間の練習に打ち込む。趣味は自宅での映画、アニメ観賞。外出は「たまに買い物に」行く程度だが、学校生活で「それなりに楽しんでます」と満足している。契約金の使い道は「お世話になった方に恩返ししたい」。どこまでも真面目な小園は、緊張の面持ちでプロに飛び込む。【斎藤直樹】