ロッテの選手、首脳陣、球団職員のバイブルがある。「ブランドブック」と名付けられた一冊は、シーズン中にチーム内の全員に配られた。

ページをめくると「このBRANDBOOKは千葉ロッテマリーンズが勝利と頂点を目指す集団であるために球団の方針と想いをまとめたものである」と大きめのフォントで、横書きでしたためられている。その裏には井口監督ほか15選手のモノクロ写真が。ZOZOマリン正面入り口にある写真と同じものだ。

井口監督や選手会長の益田直也投手(32)にキャプテンの中村奨吾内野手(29)のインタビューに加え、球団職員たちの座談会の様子も掲載されている。今春にはスローガン「この1点を、つかみとる。」の礎となった“チームボイス”が約100ページの随所に表現されている。

河合克美オーナー代行兼球団社長(69)は「理念やビジョンを“自分ごと化”するのは一番難しいところだと思います。絵に描いた餅ではなく、壁に貼ってある標語ではなく、1人1人の自分ごととして、チームを作る一員という自覚を持ってもらうのが目的でした。あれを作ったから終わりではダメ。最初の1歩だと考えています」と、常勝軍団への道筋の1つであることを強調する。

ある見開きページには、今季初めて盗塁王に輝いた和田康士朗外野手(22)が一塁でリードをとる写真が大きく掲載されている。その横に4人のコメントが添えられている。和田と、チケット部門の社員と、法人営業部の社員と、グッズ販売部門の社員。チーム一丸を象徴するような一冊で、より結束を高める1年になった。【金子真仁】