DeNAが日本ハムから自由契約になっていた大田泰示外野手(31)を獲得したことが13日、分かった。

近日中に発表される見込みで、複数球団による争奪戦を制した。今季は6年ぶりの最下位に沈んだが、オフは選手、コーチに積極投資。手薄だった右の外野手を補強し、24年ぶりの優勝へ態勢を整えた。

外野はオースティン、桑原、佐野がレギュラー。しかし、オースティンは故障が多く、層の薄さは否めなかった。大田はまだ31歳で、強肩にも定評がある。また、右打者で通算75本塁打の長打力もある。年俸1億3000万円で迎えた今季は3本塁打と精彩を欠いたが、球団は再生可能と判断。日本ハムが保留手続きを行わない「ノンテンダー」とし自由契約となると、水面下で調査を進めてきた。大田は11日に故郷広島で行われた「大田泰示杯 福山市中学生軟式野球大会」に参加した際、新天地を決める上で欠かせないものとして「チームを勝たせるために必要としてくれる、勝ちにつなげられる選手であり続けられるチーム」と話しており、熱意を持った交渉が実った。

DeNAは今オフ、FA権を取得した宮崎、山崎、大和の引き留めに成功し、内野手は楽天から藤田、救援では新外国人クリスキーを獲得。石井、斎藤、鈴木とOBコーチも招聘(しょうへい)し、立て直しを進めてきた。得点数リーグ2位の打線に、地元神奈川の東海大相模出身の実績ある強打者が加わる。

◆大田泰示(おおた・たいし)1990年(平2)6月9日生まれ、広島県福山市出身。東海大相模では菅野智之(現巨人)の1学年下になり、甲子園出場を逃すも高校通算65本塁打。08年ドラフト1位で巨人入団。09~13年は松井秀喜氏の背番号55を継承。14年9月27日DeNA戦で巨人史上81代目の4番打者を務めた。16年オフ、吉川光夫、石川慎吾との2対2トレードで公文克彦とともに日本ハム移籍。20年ゴールデングラブ賞。188センチ、93キロ。右投げ右打ち。今季推定年俸1億3000万円。