「NPB AWARDS 2021」が15日、都内で行われ、最優秀新人賞(新人王)にセ・リーグは新人最多記録に並ぶ37セーブを挙げた広島栗林良吏投手(25)が選出された。球団では栗林は昨季の森下に続く2年連続新人王獲得となった。

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栗林が喜びをかみしめながら、堂々と登壇した。「新人王」に輝いたのは、球団では昨季の森下に続く11人目で、2年連続受賞は84年小早川、85年川端、86年長冨以来の快挙だ。右腕は「1年間戦うことができた結果、最後一番良い形で新人賞をいただくことができて、本当にうれしく思います」と素直に喜んだ。

シーズンでは長期、中期、短期の目標を設定し、気持ちの切り替えにつなげてきた。長期は「1年間1軍で完走」、中期は前半戦、後半戦の目標で「前半戦で良い形で終わること、球宴に出られるように結果を出す。後半戦は20セーブ」、短期は「10試合で気持ちをリセットさせる」などといった思考で、地道に1つずつクリアしていった。

トヨタ自動車の先輩で元中日投手の吉見氏から「1カ月で2勝」という短期目標を教わり、守護神として10試合ごとに目標を定めた。元中日の井端氏、名城大の恩師山内コーチらからは「切り替えが一番大事」と教わり「切り替えるための準備、考え方を大事にした」。先達から極意を学び「長期目標」を達成した先に「栄冠」が待っていた。

デビューから22試合連続無失点。セーブ機会失敗ゼロで、防御率は0・86。DeNA牧らとのハイレベルな争いを制し「良いライバルに恵まれて、僕もそれに切磋琢磨(せっさたくま)できて、この成績が残せた。これからも負けないように、1年でも長くプロ野球選手でいたい」と気合。「失敗しないことが仕事」という絶対的守護神が来季も暴れ回る。【古財稜明】