DeNA宮国椋丞投手(29)が、恩師の指導を受けて来季に向かう。巨人時代からの恩師、小谷正勝氏(76)がコーチングアドバイザーに就任。「すごくうれしいというか。まさかまた一緒にやらせていただくとは思ってなかったので、ご縁があるのかなと思う」。

昨秋に巨人から戦力外通告を受けた後、入団テストを受けるまでにもフォームなどをチェックしてもらっていた。11月に球団施設「DOCK」で行われた秋季トレーニング中に、あいさつをしたという。

名伯楽の指導の神髄は細部に宿るという。「僕の小さな変化にすごく気付いてくれる方。どんどん聞いていきたい」。体の上半身と下半身を連動させるタイミングなど、リズムやテンポを意識するという教えも心に刻まれている。「いい状態は長く続かないでしょうし、途中、どこか(不調が)くると思うので、そういったところで落ちすぎないように助言をいただいたり、自ら聞きにいきたい」とシーズンを見据えた。

来年1月には西武内海哲也投手らと奄美大島で自主トレを行う予定。「練習、野球に対する姿勢は見習う。いつ見ても尊敬する。コーチ兼任ということもあって例年以上に厳しく接してくれると思う」。今年の1月は、所属チームが決まっていなかった。「やっぱり気持ちの部分では違いますが、あのころの気持ちでやっていけたらいいなと思っている」。契約更改の場に立ったことさえ「すごく幸せ。これが当たり前ではない」と話した男は、苦労を忘れずに進む。【斎藤直樹】