ベールに包まれた無名右腕が、メジャーの舞台に挑む。BC・茨城の松田康甫投手(23)が16日までにドジャースとマイナー契約を結んだ。17日に会見が行われる。身長193センチ、体重93キロで最速155キロの大型右腕だが、入団1年目の昨季の登板はわずか3試合。拓大時代も4年間で公式戦のマウンドに上がったのは1度のみ。実績こそないが、伸びしろを買われた未完の年男が、米国でのし上がる。

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◆NPBを経ずに日本から米球界へ挑戦した最近の主な日本人選手

08年のドラフト会議で上位候補と目されていた田沢純一(当時新日本石油ENEOS)が、直接メジャーに挑戦する意向を表明し、レッドソックスと契約。1年目の09年にメジャーデビューし、MLB通算388試合で21勝26敗。滝川二を中退後、米国に留学しマリナーズと契約したマック鈴木、立大から直接インディアンスと契約した多田野数人を含め、メジャーの舞台に立ったのは3人。ほかには02年にロッキーズからドラフト指名を受けた坂本充(九州産業大九州卒)、08、09年にナショナルズから指名を受けた(08年は辞退)鷲谷修也(駒大苫小牧卒)、ドジャース傘下でプレーした沼田拓巳(帰国後ヤクルト入団)、羽黒からインディアンスとマイナー契約を結んだ土田拓弥などの例はあるが、メジャーに昇格した選手はいない。現在、ダイヤモンドバックス傘下のマイナーに所属する吉川峻平投手(26)はパナソニック時代の18年にダ軍とマイナー契約を交わしたことが規定違反とされ日本野球連盟から登録資格剥奪の処分を受けた。またアスレチックス傘下マイナーに所属する冨岡聖平投手(25)は都内での入団テストを経てマイナー契約を結んだ。