「あぶさん」の背番号90を背負う、ソフトバンク小久保裕紀2軍監督(50)が18日、福岡・筑後市のファーム施設を訪れ、10日に82歳で亡くなった漫画家の水島新司さんとの思い出を語った。

「あそこまでの人は出てこないんじゃないかなというくらい、野球に対する愛があふれていた人ですね。節目節目で、2000安打の時とかに、お祝いのお皿をいただいてね。先生のあぶさんの絵が入っててね。それもいい思い出です。銀座でステーキを食べた思い出もあるかな。プライベートで食事に誘ってもらった。すごくウキウキして行ったことを覚えています」。

小久保氏は「あぶさん」では主人公の景浦安武とチームメートとして本塁打王を争い、「ドカベン プロ野球編」では、ダイエーに入団した岩鬼が三塁手だったため、作中で二塁や一塁に回された。「岩鬼も好きでしたよ。オレのポジション取ったけど、好きでした」と懐かしんだ。

20年にヘッドコーチとして球団に復帰してからは、景浦の背番号「90」をつけている。現役時代の背番号9からイメージし、侍ジャパン監督就任時に選んだ背番号だった。「大事にしたい番号です。先生の思いもしっかり忘れずに、自分の心の中に秘めておきながら、野球人生を歩んでいきたい」。背番号とともに、恩人の思いも背負っていく。【山本大地】