藤本博史監督(58)率いる新生ソフトバンクが1日、宮崎と筑後でキャンプインした。

A組とB組の宮崎では初日から、練習参加した投手陣25人全員がブルペンに入った。昨秋から「競争」を訴えてきた指揮官の思いに応える熱気で、選手たちがいきなり火花を散らした。

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「藤本イズム」がキャンプ初日から体現された。ボールがミットをたたく乾いた音がなかなか鳴りやまない。正午すぎにブルペン一番乗りで、A組の武田が投球練習を始めると、続々と投手陣が集まった。若手中心のA組では、急性胃腸炎のため練習を休んだ甲斐野を除く11人が全員、捕手を座らせて本格的に投げ込んだ。

A組の投球が終わると、次はB組で独自調整が許されている千賀や和田ら主力組も白球を握った。育成選手らも続き、B組も14人全員がブルペン投球。最後の田上が投げ終わったのは午後3時ごろで、約3時間もブルペンが稼働していた。両組25人の球数は合計1344球にも上った。32球を投じたチーム最年長の和田は「毎年、毎年が勝負。今年できなかったらやめなきゃいけないという覚悟を持ってやっている」とうなずいた。

就任直後から「競争」を掲げてきた藤本監督にとっても、まさに思い描いた通りの光景だった。育成選手からベテランまで、競い合うように投げた投手陣の姿に「ありがたいですね。去年の秋に言った『競争』というのが選手に伝わっているのかなと、すごく感じました」と喜び、「和田とか千賀とかみんな入ったんだったらね、若い選手はもっと、そういう気持ちになりますよね」と相乗効果にも期待した。

3日にはフリー打撃登板、第2クールではシート打撃、第3クールには紅白戦を行う。ここから開幕メンバー絞り込みへ向けた、本格的なサバイバルの1カ月がスタートする。指揮官は「まずはけが人を出さないこと。この1カ月でよしこれだ、というものを全員につかんでもらいたい。その中での結果ですからね」と胸を高鳴らせた。【山本大地】

○…宮崎のキャンプ地に藤本監督の巨大バルーンが登場した。中で跳びはねて遊べる遊具で、12歳以下の子どもが対象。藤本監督は「かわいいじゃないですか。ちょっとかわいすぎるんじゃない? あれが怖かったら子どもも中に入って来られないからね。ペイペイドームに持って帰ってもらいたいですね」とお気に入りの様子だった。