広島遠藤淳志投手(22)が3回無失点と好投し、開幕ローテーション候補に急浮上した。投球した3イニングすべてで得点圏に走者を背負ったが投球間隔を微妙にずらし、タイミングを狂わせる投球で西武打線を幻惑した。開幕ローテーションは大瀬良、九里、森下、床田が当確し、残る椅子は2つ。4年目右腕が快投でその座をたぐり寄せた。

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本拠地での今季初試合に詰めかけた1万541人がこの試合で最も大きな拍手を、遠藤の背中に送った。遠藤の3イニング目となる8回。1死から2四球で1死一、二塁のピンチを背負った。柘植にスライダーでタイミングをずらし、三塁への弱いゴロ。併殺で切り抜けた。「四球を出しても落ち着いて投げようと思っていたので、タイミングを変えたりして投げることができた。そこは成長だと思う」と笑みを浮かべた。

昨季の悔しさがローテーション入りへ、右腕の背中を押す。先発転向した20年には19試合に登板し5勝6敗だったが、21年は2試合の先発に終わった。21年4月22日の3回3失点だったヤクルト戦(マツダスタジアム)を最後に、1軍マウンドから遠ざかっている。「去年悔しい思いをした分、今年は本当に見返してやる気持ち。自分が開幕ローテを取るんだという、今はその頭しかない」。熱い思いを言葉に乗せた。

広島の開幕ローテは開幕投手に内定した大瀬良のほか、森下、九里、床田が当確。佐々岡監督は残り2枠を玉村、小林、ドラフト2位の森翔平投手(24=三菱重工West)の3人で競わせる方針を示していた。ところが、森が2日のDeNA戦(横浜)で3回1/3を4失点。同戦に中継ぎ登板した玉村が3回5失点。翌3日の同戦に先発した小林は3回4失点。3投手がそろって結果を残せず指揮官は「(残りの)2枠はまだまだ決められない」と首をひねっていた。そんな状況で、遠藤が5日に3回無失点の好投。佐々岡監督は「今日の投球だと(開幕ローテの)競争の中に入っていける」と、候補の1人として評価した。

「とにかくゼロで抑えることだけを意識して、自分の投球をするだけ」。高卒5年目右腕が開幕ローテ入りへ、闘志を燃やす。【前山慎治】