新庄チルドレンが急成長だ。日本ハム万波中正外野手(21)が9日、ロッテとのオープン戦(鎌ケ谷)で3試合連続本塁打を放った。5回1死二、三塁で、やや体勢を崩されながらも持ち前のパワーで4号3ランを左翼へ運んだ。これでオープン戦は4本塁打、9打点で12球団トップ。プロ通算5本塁打ながら身体能力抜群のスターの原石が、BIGBOSSに磨かれて輝き始めた。

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気持ちを引き締め、ボールに食らい付いた。5回1死二、三塁。少し体勢を崩されたが、万波には関係なかった。「バットにさえ当たったら、なんとかなるかなと思っていた」。しっかりコンタクトできた打球は、猛烈な勢いのまま左翼芝生席で弾んだ。6日巨人戦から3戦連発となる4号3ラン。天性のパワーを目の当たりにした新庄監督もベンチを飛び出し、両手を頭上に上げて拍手した。

BIGBOSSの下で、ポテンシャルが開花寸前だ。今オフは断食ならぬ“断ウエートトレ”を敢行。「しっかりした動きができていない中でウエートをすることで悪い動きを助長する部分もあった」と、理にかなった体の動かし方を身に付けるための取り組みを行った。代わりに水が入ったウオーターバッグを使ったトレーニングなどで体幹を強化。悪い動きの癖を抜いて、キャンプインした。

リセットされた状態で落とし込んだのが「新庄殿の8人」の1人としてやってきたスポーツ庁の室伏広治長官の講義。「体全体で力を発揮するというテーマで教えてもらった。全身で力を発揮する中で動きは回旋する。トレーニングや股関節を中心にどう力を発揮するかなどを中心に、力を抜くコツとかも教えてもらった」。鍛えてきた体の芯の強さ、最大限のパワーを繰り出す体の動きなどが合わさり、スラッガーの本能が覚醒し始めた。

これでオープン戦は本塁打と打点の2冠も「もちろんうれしいんですけど、それ以上に反省が残る試合」と笑顔は少なめ。3回に右翼守備で適時失策を犯していた。「(ゴロ打球に)強いチャージをした上で正確なプレーを行うのはボス(新庄監督)がキャンプからずっと言っている。それが出来なかった(ファンブルした)のは悔いが残ります」。打つだけでは満足できない。走攻守でNO・1を目指せるのが万波。急成長の4年目が、新庄殿の申し子になる。【木下大輔】

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