虎の22年版勝利の方程式に光が見えた。阪神4年目右腕の湯浅京己(あつき)投手(22)が2回パーフェクトで、新セットアッパーに名乗りを上げた。広島戦に6回から3番手で登板。先頭菊池涼を137キロフォークで空振り三振に仕留めると、その後もこの日最速150キロの直球とのコンビネーションで24球で料理。今季初の複数イニングもこなし「ストライク先行で良い感覚だった」と胸を張った。オープン戦は3試合4イニング無失点、防御率0・00の安定感だ。

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前日8日は、小野が1イニングを7球で3者凡退に抑えるなど、こちらもオープン戦は3回自責0と安定。キャンプ中はアピール不足だった中継ぎ右腕たちが一転、日替わりで好投を見せている。矢野監督は「小野も、湯浅も今日ぐらい投げる力がある。勝ちパターンも、もちろんいけると思っている」と両右腕を高評価。「スアレスが抜けた後の中継ぎの穴が課題の中で、若いやつが出てきてほしい中で、小野と湯浅が出てきてくれるのは頼もしく思う」。指揮官がキャンプから期待をかけてきた2人が、1歩抜け出す形となった。

新守護神候補は6日に来日した新助っ人のケラーと岩崎で、万全なら2人で8、9回を任せられる。開幕まで約2週間。オープン戦2試合連続無失点中の石井、中継ぎに再転向した及川らを含め「7回の男」を巡る争いはますます熱くなっていく。指揮官は「JFKみたいな圧倒的なパターンがあればいいけど、そこまでは到達していない。全員が勝ちパターンに入る、そういう投手陣を作りたい」と力を込めた。今季は延長12回制が復活し、救援陣の優劣も勝敗に直結する。誰が勝ち抜けるのか、熱い中継ぎバトルからも目が離せない。【中野椋】

◆湯浅京己(ゆあさ・あつき)1999年(平11)7月17日生まれ、三重・尾鷲市出身。聖光学院(福島)-BC富山から18年ドラフト6位で阪神入団。1軍通算3試合で0勝0敗、防御率18・00。最速153キロ。183センチ、81キロ。右投げ右打ち。

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阪神リリーフ陣の現状

○岩崎

○ケラー

○石井

○小野

○湯浅

○及川

△馬場

△浜地

△渡辺(育成)

△斎藤

★小川

〇=有力、△=候補、★=先発、中継ぎ両にらみ