ソフトバンク藤本博史新監督(58)が初陣に挑んだ。頭を悩ませて送り出した開幕メンバーは、就任した昨年11月からの約5カ月が詰まったものになった。

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「競争」と「世代交代」をテーマに掲げ、昨秋キャンプから若手に多くのチャンスを与えてきた。三塁にはリチャードや井上、野村大、ドラフト4位野村勇らの若手が候補になったが、開幕スタメンを勝ち取ったのは17年目の大ベテラン松田だった。オープン戦で結果を残し、若手の壁となって立ちはだかった「熱男」の奮闘を尊重した。鳴り物入りの新外国人ガルビスも、状態が上がらないとみると先発から外した。

その中で指揮官が重視したのが控えに回った選手たちへのケアだった。開幕前日の24日には、1軍の各選手と個別面談した。「選手のテンションを下げないように。現役時代に経験あるけどさ。『おれ調子いいのにな』とか、不協和音が出やすいところなんよね。1軍のベンチは。そういうところをうまく操縦できたら」。各自にシーズンを通して求める役割を訴え「開幕スタメン」でなくとも、必要な戦力だと伝えるよう心掛けた。地道な心配りで、ベテランと若手を融合させた「新生ソフトバンク」が船出した。【山本大地】