3連覇を狙う国学院大が1点差を守りきり、白星スタートを切った。鳥山泰孝監督(46)は「1球たりとも気を抜けない、東都らしい戦いだった。投手陣がよくつないでくれた。ウチらしい野球ができたと思う」と振り返った。

大分出身の新名凌馬投手(2年=大分舞鶴)が、地元で東都デビューを果たした。2番手として6回途中からマウンドへ。2死一、二塁のピンチを二直に切り抜けると、捕手とハイタッチをかわして喜んだ。1回2/3を無失点で勝利に貢献し「スタンドには友人や知人が多くいたので、うれしかったけど緊張した。(無失点で)ほっとしました。慣れ親しんだマウンドだけど、雰囲気が違った」と笑顔で話した。

思い出の詰まったマウンドに、成長して帰ってきた。大分舞鶴3年の夏には、エースとして県大会決勝津久見戦で登板。1-2で敗れたが、この日と同じような接戦だった。「時間が濃くて、一瞬だった」と振り返る。今春のセンバツには、後輩たちが21世紀枠で開幕戦に出場。初戦敗退となったが「自分も着ていたユニホームが甲子園で見られて、すごくうれしかった。自分も頑張ろうと思いました」と刺激をもらった。

デビュー戦でも落ち着いた投球を見せ、鳥山監督は「投げっぷりがいい。覚悟を決めてマウンドに上がってくれている」と信頼を寄せる。

初めての大分開催で、前売りチケットは5000枚が完売。高校生以下は無料のため、少年野球チームの子どもたちも多く集まった。同じく大分出身の古江空知(そらち)主将(4年=大分商)は出番はなかったが、ベンチから声を出してチームを鼓舞した。「こんなにお客さんが入っている経験はなかった。キャプテンになって初めての公式戦で、(試合後に)あいさつをして拍手をもらってホッとしました」と話した。