DeNAが「4番牧」を軸とした大幅なオーダー変更で巨人戸郷を攻略し、連敗を3で止めた。

2点を追う5回。桑原の適時二塁打で1点差とし、なおも二、三塁から佐野が逆転の適時二塁打、さらに2死三塁から、牧秀悟内野手が2試合連続となる5号2ランを右中間席に運んだ。「4番牧」の前に、出塁率が高く、打撃好調な佐野を2番、ソトを3番に起用。番長采配が的中し、一挙5点でド派手にKOし、逆転勝ちを飾った。

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お立ち台に上がる選手を待つハマスタに、牧の登場曲「君が好きだと叫びたい」のメロディーが流れた。大きな拍手を背に、貫禄十分の牧がエスコバーとともにグラウンドに登場した。「オトコハダマッテ、ナゲルダケ」と3度繰り返した助っ人の決めぜりふを拝借し、「男は黙って、打つだけ」と笑いを誘って、お立ち台でも主役を奪った。

「広島で連敗して、流れを変える意味もある」。桑原、柴田が合流し、新型コロナに感染した開幕スタメンの全5選手がスタメンに復帰する中、三浦監督が決断したのは「4番牧」を軸としたオーダー変更だった。「牧の前に出塁率が高く、状態のいい選手を持ってこようと」。打撃好調な佐野を3番から2番、ソトを5番から3番に上げた。

ハマったのは、2点を追う5回だった。1死一、三塁から桑原の適時二塁打で1点差。なおも二、三塁から佐野が逆転の2点適時二塁打を放った。猛攻のトリを飾ったのは4番牧。「桑原さん、佐野さんのヒットで逆転したので、あとはかえすだけ」と2死三塁から2試合連続の5号2ランを右中間席に運んだ。連打と1発でド派手に5点を刻み、戸郷をKOした。

プロ2年目で4番を任され、まさに「男は黙って、打つだけ」を体現する。前回カードの24日の広島戦では自らの失策から同点とされたが、延長10回に一時勝ち越しとなる汚名返上の4号ソロ。振り返れば、開幕カードの3月27日の広島戦でも自らのミスも絡み、逆転負けを喫したが、次戦の29日の中日戦で決勝アーチを放ち、勝利に導いた。

「新番長打線」が機能し、連敗を3で止め、巨人から今季初勝利を挙げた。三浦監督は「うまくつないで、つないで上位に回して、いい攻撃ができた。牧の1発も大きかったです」と評価。一時は12選手が新型コロナで離脱する中、黙って、我慢の戦いを続けたDeNAに、浮上への光が差し込んだ。【久保賢吾】

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