こどもの日に、日本ハム清宮幸太郎内野手(22)が、プロ5年目で初の2打席連続本塁打だ。2回、楽天岸から3号ソロを放つと、4回には一時同点の4号ソロを右翼スタンドへ。清宮の2発も実らず、チームは9カードぶりに同一カード3連敗。6日の西武戦で敗れ、首位楽天が勝てば自力優勝の可能性が消滅する危機に陥ったが、大器覚醒を予感させる活躍に球場は沸いた。清宮は子どもたちに夢を与えたアーチを「おかげさま弾」と命名。その理由とは-。

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格別だった。プロ5年目で初の2打席連発に、清宮は「今日のは、すごい良い感じで振れていた。一番いい日に打てたんじゃないですか。ラッキーですね」とほおを緩めた。子どもたちが集まった日に、夢が詰まったアーチを描いた。新庄監督も「清宮くんいい感じになってきたね」と喜んだ。

試合前、ロッカーが隣の近藤が故障離脱で荷物整理をしていた。ふいに「これで行け」と香水をかけられ、再び戻ってくると清宮のロッカーに香水が置かれていた。「そのおかげです。あんまり香水とかつけないですが。(匂いは)めっちゃいいです」と感謝した。

効果は第1打席から表れた。1点リードの2回先頭。岸の5球目、外角低めの直球143キロに体を泳がせながら右翼席へ運んだ。4月6日ロッテ戦以来の3号ソロだ。逆転を許した直後の4回には内角直球141キロを右翼席中段へ推定飛距離120メートル弾。1発目は技ありの、2発目は美しい1発。岸からは1軍デビュー戦の初打席で中堅フェンス直撃の二塁打。「特別な方です」と敬意を示しつつ、プロとして結果を出した。

連日、稲葉GMと金子野手総合コーチから安定して軸足に体重を乗せる特訓を受けている。「少しずつ身になっている」と清宮。他競技の同学年からは、トレーニングのアドバイスを受けていた。高校日本代表経験もあるラグビー界注目の飯沼蓮(浦安)からは、体幹不足を指摘された。自主トレで弟子入りしたソフトバンク柳田が前日4日にラグビー仕込みのトレーニングで本塁打を放ったと知り、「僕も早く打ちたかった」と1発を熱望していた。

清宮 今日は近藤さんと飯沼くん。あと稲葉さんと金子さん。こどもの日だったので子どもたち。ファンのみなさんのおかげ。恵まれています。「おかげさま弾」で。

覚醒を感じさせる2発。あどけなさ残る表情で、目いっぱい感謝した。【田中彩友美】