享栄魂全開! 真新しい背番号67のユニホームに身を包んだ19歳左腕が、神宮でプロデビューした。育成出身の中日2年目・上田洸太朗投手が、昨季王者のヤクルト相手に粘りの投球で5回4安打3失点。味方打線が1点に抑えられ、チームも4位に後退したが、立浪監督は「この球場で5回3点なら十分、責任を果たした。楽しみな投手が出てきた」と合格点を与えた。

雨の中、いきなり洗礼を浴びた。1番塩見からの3連打で2失点。でも慌てない。「ストライクは取れていたので」と微調整。4番村上を直球で追い込み、スライダーで空振り三振に斬ると、得意のカットボールを武器にアウトを重ねた。 5回、山田に犠飛を許して3点目を失ったが、ゲームを壊さずバトンを渡した。「先発の初回は難しい。でも5回まで何とか投げることができたので、そこはよかった」と振り返った。

担当スカウトは享栄の先輩左腕で、1987年(昭62)の巨人戦でノーヒットノーランの伝説デビューを果たした近藤真市氏(53=岐阜聖徳学園大監督)だ。20年育成ドラフト2位で入団。昨季は救援のみで2軍戦12試合に登板して防御率0・79の結果を残し、今季は先発へ。9日に支配下選手登録され、即1軍先発を託された。プロに導いてくれた母校の先輩への恩返しも込めた82球だった。

「落合(ヘッド兼投手コーチ)さんから、いろいろ勉強になったと思うので、また呼んでもらえるように頑張れと言っていただいた」。同期のドラフト1位・高橋宏に続く、プロ初勝利もそう遠くはなさそうだ。【安藤宏樹】

◆上田洸太朗(うえだ・こうたろう)2002年(平14)9月6日生まれ、富山県出身。享栄(愛知)から20年育成ドラフト2位で中日入団。1年目の21年はウエスタン・リーグで開幕11試合連続無失点。今季は同リーグで5試合に登板して1勝0敗、24回1/3で防御率2・59。5月9日に支配下登録され、背番号は203から67に変更。184センチ、91キロ。左投げ左打ち。

▽中日大野奨(今季初のスタメンマスクで上田をリード)「初登板、初先発ですし、立ち上がりに球が浮いてしまうのはだれにでもあることです。それ以降は低めに集めて、持ち味を出して投げられたと思います」

▽中日伊藤(今季初スタメンで2安打)「ヒットを打ったのはうれしい反面、その他の部分も含めて悔しいところも大きいです」

▽中日根尾(今季3度目のスタメンで6回に二塁打も)「内容がよくなかったので次、また頑張ります」

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