阪神佐藤輝明内野手(23)が、ロッテ佐々木朗希投手(20)とのプロ3度目の対決に臨む。27日のロッテ-阪神(ZOZO)で先発予定の右腕とは昨季交流戦で適時打、エキシビションマッチで本塁打を放つなど好相性。藤井康雄1・2軍巡回打撃コーチ(59)の「4スタンス理論」をもとにした打撃指導で確実性も伴いつつあり、進化した両者の激突が注目される。今回、同理論の提唱者でスポーツ整体師の広戸聡一氏(60)が2人の共通点を分析。「柔軟性」「瞬発力」「体の軸」に注目し、さらに佐藤輝は高いレベルで良い状態を維持し続けると予測した。

      ◇  ◇  ◇

阪神藤井康コーチと、同コーチに「4スタンス理論」を伝授した広戸氏の間には、固い絆がある。

07年に同コーチがオリックスのスカウトとして活動していた時、同氏の著書「君は松井か、イチローか。」を読んだことが交流のきっかけだった。アマ選手の視察で神宮を訪れた際に同氏に電話が入り、初めて対面したという。神宮のバックネット裏で「あのランナーは○○タイプだ。見ておけよ」など、雑談した日々が藤井康コーチの原点となっている。

ある“ミス”についての話が印象深い。昨年11月、藤井康コーチは佐藤輝を「4スタンス理論」上の分類で「A2」としていたが、これは結果的に誤診だった。報道陣に訂正を出す前夜、広戸氏の電話が鳴った。

「今まで何千と指導してきても、タイプチェックする時は緊張するもんなんです。優れている人っていろんな動きができてしまう。それだけ佐藤選手が優秀だったってこと。『違うんだったら違うって言った方がいいよ』ってお伝えしました」

藤井康コーチが19年にオリックスのコーチを退団後、中学硬式野球チームを指導していた際には、関西まで電話1本で指導の手伝いに向かったこともある。共通するのは「野球界の発展のために尽くしたい」という思いと、体の動きについての探究心。2人の研究は続く。【阪神担当=中野椋】

【関連記事】阪神ニュース一覧