右ふくらはぎ故障で出遅れていたオリックスT-岡田外野手(34)が、勝利の匂いをまとって帰ってきた。今季初めて出場選手登録され、本塁打を含む2安打3打点と大暴れした。

3回に右犠飛。5回は右翼線に適時打二塁打。そして7回、右中間に1号ソロも放り込んだ。中嶋監督も興奮して手を突き上げるなどベンチが沸いた。昨季17本塁打で精神的支柱のベテラン。3月の離脱以来、いかに待望されていたかが分かるシーンだった。

「これだけ長い間、ケガで出られないことがなかったので不安はあった。気持ちが落ちる時もあった。早く野球がしたいという気持ちを常に持って、前向きに頑張ってきた。今日はみんなに乗せてもらって、楽しく野球ができました」。

5番杉本に続く、連続のアベック弾だった。昨季本塁打王は試合前、当然のようにT-岡田のディオールの香水を振りかけた。勇気づく、あの香りだ。昨年の開幕当初、香水を勝手に使って大活躍。験担ぎになった。だが、今年は開幕前に仲良しの先輩と香水が“同時”に離脱。そのせいか? この日でやっと3号と不振にあえいできた。後輩の本拠地初本塁打も誘発したT-岡田は「僕のおかげですね」と笑った。

打線がつながり、8得点、12安打はともに今季最多タイ。「打点を挙げてくれるのは本当大きい。いなかったメンバーが帰ってきて、結果を出してくれたら勇気がわきますよね」と中嶋監督も大喜び。貧打に苦しんできたオリックスに逆襲の香りが漂ってきた。【柏原誠】

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