ゆる~い球で光るロッテ佐藤奨真投手(24)がプロ初勝利を挙げた。佐野に2ランを浴びるも、DeNA打線を85キロ~139キロの球速帯で攻め、6回2失点。「1勝目、やっと取れてホッとしています」。応援に訪れた父に渡すウイニングボールを手に、笑った。

荒天で30分遅れた試合開始。初回、4番牧に93キロのスローカーブから入り、131キロの直球などを挟みつつ、チェンジアップで空振り三振に。「追い込んでからチェンジアップがいいところにいってくれたので、三振7個につながったと思っています」。雨で緩い球が抜けやすい状況。捕手の佐藤都も天候の変化を見ながら良さを引き出した。

11日には佐々木朗が平均157.8キロを投げ、その翌日の緩急ショー。「ちょっと怖いところもあるんですけど。160キロでも打たれるのを前日に見てるので」としつつ「それで相手が勝手に混乱してくれれば」という願い通りの展開になった。育成ドラフト4位で専大から入団。今季開幕直前に支配下登録を勝ち取ったばかりの左腕は、中学時代から独学で奥行きや間合いを研究していた。年季が違う“自分らしさ”で、歩みの正しさをしっかり証明。チームを交流戦勝ち越しへ導いた。【金子真仁】

◆佐藤奨真(さとう・しょうま)1998年(平10)6月2日生まれ、東京都墨田区出身。関東第一では3年春夏に甲子園出場。専大を経て、20年育成ドラフト4位でロッテ入団。1年目は2軍で7勝5敗、防御率3.50。今季の開幕直前に支配下登録され、3月31日ソフトバンク戦でプロ初登板。今季推定年俸420万円。177センチ、78キロ。左投げ左打ち。

▼20年育成ドラフト4位で入団したロッテ佐藤奨がプロ初勝利。育成ドラフト入団選手の勝利は通算31人目。ロッテに入団した選手では西野勇士(19勝)本前郁也(2勝)、今年5月26日広島戦で初勝利を挙げた小沼健太(1勝)に次いで4人目。

▽ロッテ井口監督(佐藤奨について) 楽天の辛島だったり、元ハムの武田勝、ああいうタイプですよね。バッターに絞らせない。

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