新リードオフマンに抜てきされた阪神中野拓夢内野手(25)が、3安打3得点と奮起した。今季は主に2番で、1番は4月20日DeNA戦以来、約2カ月ぶり。リーグ戦再開後は4試合で16打数2安打と振るわなかっただけに「最近自分の役割がなかなかできてなかった中で、打順が変わって開き直って、思い切っていこうと思った」。延長11回までもつれたシーソーゲームの中で存在感を示した。

中野を筆頭に、今季59通り目となる打線の組み替えが功を奏した。6月から1番が続いていた島田を2番で起用。1点を追う3回、2死から中野が左前打、島田が四球で続いて一、二塁とし、好調の3番近本が同点打を放った。5回も1死から中野、島田、近本の3連打でチャンスをつくり、佐藤輝の内野ゴロが併殺崩れとなる間に同点に。再び1点を追った7回は先頭で中野が右前打を放ち、2死三塁から佐藤輝の左前適時打で生還した。

ド根性でアクシデントを乗り越えた。3回は近本の適時打で二塁から本塁を狙い、ヘッドスライディングで捕手会沢と衝突。ボールはこぼれていたが、微妙なタイミングの中で隙間から左手をねじ込みベースをタッチしていた。ただ、しばらくその場から動けず、ベンチへ下がって治療を受けた後、プレーを続行。「若干、張りというか、むち打ちみたいな感じもあるんですけど…」と明かし、「最近チームに貢献できていなかったので、途中で代わるのだけは嫌だなと思っていた。気持ちで何とか頑張りました」。ガッツでフル出場した。

前日21日の試合は2番中野が送りバントを失敗。この日は2番島田が7回に犠打を難なく決めた。矢野監督は1、2番の入れ替えの理由について「それ(バント)だけじゃないけど」と話すにとどめたが、「1番中野」が逆襲への鍵を握っていきそうだ。【古財稜明】

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