異次元投球から一転、ロッテ佐々木朗希投手(20)が緊急降板した。

初回に振り逃げを含む4者連続、2~4回にかけて6者連続と圧倒的な奪三振ショーを見せたが、4回を投げ終えまさかの降板。右手中指のマメがつぶれていた。6回にはベンチに戻り仲間に声援を送るなど、症状は重くないとみられる。チームは佐々木朗の同期入団、佐藤都志也捕手(24)の決勝弾で勝ち、4月16日以来となる勝率5割復帰に成功した。

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午後7時17分、4回を終えると井口監督がベンチから出た。佐々木朗、4回10奪三振無失点で交代。試合中に球団広報を通じ「マメがつぶれた影響で途中降板となり、中継ぎ陣に負担を掛けてしまって申し訳ないです」とコメントし、試合後の報道対応はなかった。

圧倒的な奪三振ショーから始まった。NPB史上3人目の、振り逃げを含んでの初回4K。2~4回にかけ、6者連続K。試合開始57分後の時点で10奪三振に達した。最大9メートルの風速の中、フォークのキレはいつも以上に強烈に。しかし4回を終えると、ベンチが慌ただしくなった。

マウンド上で気にした佐々木朗の右手は、中指の腹が赤く染まっていた。「前回の登板からちょっとマメがという話はあったんですけど、今日もしっかりと引っかかった球を投げていた分、マメがそういう状態になっちゃったんじゃないかなと」と井口監督。「明日以降の状態を見て、また次回を考えたいと思います」と次回登板日を明確に口にすることはなかった。

6回表にはベンチへ戻り、仲間を応援した。7回裏の山口の粘りや高部の同点打には拍手を送っており、症状は重くないとみられる。大船渡高時代の19年8月、高校日本代表の一員として大学日本代表戦に先発した。しかし右手中指の血マメの影響で初回12球で降板。その時は4日後にキャッチボールを再開し、7日後にブルペン投球も再開。登板中に血マメが再発したとはいえ、11日後には実戦マウンドを踏んでいる。

中8日、月が変わってのマウンドに「しっかりゼロで抑えて、長いイニングを投げられるように頑張りたいです」と意気込んだ。まさかの結末だったとはいえ、指を気にした後も158キロを投げるなど、さすがのすごみも見せた。チームは勝率5割に戻し、貯金生活を目指す。指先の回復具合はロッテのこの先を左右する。それだけの存在になっている。【金子真仁】

▼ロッテは6月4日に23勝32敗1分けで借金が今季最大の9あったが、直近13勝4敗で勝率5割に復帰。ロッテが借金9以上を返済したのは08年(最大12)以来、14年ぶり6度目。

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