赤いバットを振り抜いたロッテ佐藤都志也捕手(24)が、右手にバットを持ったまま3秒ほど、夜風に吹かれた。確信弾。インパクトから5秒もせぬうちに右翼席上段に白球が達すると、堂々とダイヤモンドを回った。

試合後、お立ち台でも熱気が残る。「すごく興奮しています」。同点の8回無死、楽天宋家豪の内角直球を豪快に振り抜いた。感触は完璧だったとはいえ「ああやってパフォーマンスを決めている時にファウルだったら恥ずかしいので、何とか入ってくれ!お願いします!という気持ちで見ていました」。興奮を言葉に変えていった。

19年ドラフト2位で入団し、3年目を迎える。同期のドラフト1位佐々木朗希投手(20)に、いつも脚光が集まった。昨秋には「同期としては、今、天と地ぐらいの差の活躍ぶりですけど」と苦笑いしたが、今季は捕手と一塁を守りながら、時には中軸を任される。中心選手の1人になったのは明白だ。

佐々木朗との黄金バッテリーを夢見る中、今はドラフト1位松川がその座にいる。「なんか、朗希が安心して投げているように感じるので、そういう安心感が自分にもあれば…っていう感じはすごく思いますね」と話したことがある。松川とはスタメンをほぼ半々で分け合う。時には捕手目線で一塁を守りながら、攻守でチームに貢献する。

マーティンとレアードはこの日、2人で5三振。助っ人がシーズン半ばになっても低打率にあえぐ中で、佐藤都のジャストミートした打球は助っ人級の力強さを誇る。「これからももっともっと熱い打撃をどんどん見せられるように」。ファンに誓った言葉に、思いが強くこもる。7回に同点適時打を放った同期の高部瑛斗外野手(24)ともども、ロッテに不可欠の選手になってきた。【金子真仁】

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