西武は16日、内海哲也投手(40)が今季限りで現役を引退すると発表した。巨人のエースとしても活躍し、プロ19年で通算332試合登板の135勝104敗、防御率3・24。今季からは投手兼任コーチを務めたが、40歳を区切りにマウンドに別れを告げることを決断した。

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「不器用なタイプ」。そう内海は言う。

プロ19年目。円熟期を迎えた投手人生になって、ようやく精度が高まり、自信を持てた球種がある。カットボールだ。

「投げていくうちにようやく熟されたというか…。不器用なタイプなので、なかなか一発で覚えるのはできない。ちょっとずつ、ちょっとずつやってきたのがようやく今年、いい感じで、自信を持って投げられている感じがします」

実は何年も前からずっと投げてはいる。ただ「しっかりコントロールよく投げられなかった」。思うように操れなかった。「不器用」だから。地道な地道の積み重ね。40歳になるシーズンで、やっと納得できる完成度になった。

ストレートは130キロ台が中心。昔のようにはいかない。模索した中で、カットボールの追求を始めた。「投球の幅が広がりましたし、そこが一番モデルチェンジしたところだと思う」。130キロ台の直球、110キロ台のスライダー。その間の速さ。それが投球の幅を広げる120キロ台のカットボールだった。

「生きるために考えないといけない。そう思ってやってましたね」

納得できるようになるまでには時間がかかった、引退を決意するシーズンまで。不器用-。それを象徴していた。

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