ソフトバンクが痛恨の黒星を喫した。首位西武との3連戦第1ラウンドは打線が沈黙。今季12度目の0封負けに終わった。4度の得点圏を生かせなかった藤本博史監督(58)は「4回チャンスがあったのに、それを生かせなかったのは反省点ですね」と渋い顔。「もっと楽しくいきゃいいのにね。うちの選手は、外野フライでいい場面になったらガチガチになってしまう。チャンスが回ってきたら、オレがヒーローになるくらいの気持ちでいってくれたらいいのに。かえさなあかん、と金縛りにあってるような気がするよね」と、もどかしそうに奮起を促した。

かつての「天敵」を打ち崩せなかった。西武高橋には昨年9月28日の対戦から2連勝中だったが、19年から21年途中まで9連敗したこともあった。この日は再三の好機をつくるもあと1本が出ず、6回を0封されて今季初黒星。逆転優勝を目指す上で、避けては通れないライバルのエースを相手に、嫌な印象の残る1敗となった。

1・5ゲーム差で迎えた「首位攻防戦」だったが、初戦を落として2・5差に広がり、このカード中の首位浮上はなくなった。藤本監督は4回1死二、三塁を生かせなかったその裏、森に決勝2ランを浴びた攻防をポイントに挙げた。「ピンチのあとにチャンスあり。西武はそういう感覚で、森のホームランが出た。やっぱり取れるところでしっかり取らないとね」。表情を引き締め、2戦目の必勝を期した。【山本大地】

○…石川は8回途中2失点の熱投実らず、7敗目を喫した。0-0の4回無死一塁で森に浴びた2ランが、重い決勝点となった。「ホームランを打たれてしまった1球は、しっかりと意思をもって投げたボールなので、後悔はありません。次の登板で良い投球ができるように、また頑張ります」。西武戦は今季2戦2勝と好相性だったが、苦い初黒星となった。

○…新型コロナウイルスの陽性判定を受けて離脱中の千賀が、2軍での調整登板を行わず、1軍復帰する可能性が出てきた。藤本監督は「早くなるかもしれない。2軍戦に投げないで、1軍でぶっつけの可能性もある」と話した。千賀は今月4日に陽性判定を受け、この日から筑後のファーム施設で練習を再開。逆転Vへエースの帰還が待たれる。

○…三森が左手親指の骨折を完治させ、約1カ月ぶりに1軍に帰ってきた。9番二塁でスタメン出場。高橋らの前に2三振を含む4の0だった。「久しぶりの1軍での試合で結果を出すことができずに悔しいです。明日は勝ちにつながるプレーができるようにしたいです」。勝ち気な男は復帰に満足せず、リベンジを誓った。

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