「流動的打線」で天敵攻略ヤ!! 首位ヤクルトが今季2戦2敗、2度の完封負けを喫していた阪神青柳から3回までに4安打で4得点を奪い、初めて土をつけた。

高津臣吾監督(53)は山田、塩見、オスナら右の主力打者を先発から外し、青木を4年ぶりの1番で起用するなど、左打者6人をスタメンに配置。不動の4番村上にも適時打が飛び出すなど柔軟に組んだ打順が機能し、2連勝を飾った。

   ◇   ◇   ◇

高津采配がズバリとはまり、難敵・青柳の牙城を崩した。2回に相手のミスに乗じた。先頭の村上が四球で出塁すると、宮本の犠打が青柳の悪送球を誘い、無死一、二塁。続く中村の犠打が今度は一塁ロドリゲスの野選を誘い、無死満塁。丸山和の遊ゴロの間に三走村上が生還し、相手エースから今季初得点。さらに長岡が「追い込まれていたので食らついて気持ちで打ちました」と、右前適時打で2点目を挙げた。

3回1死三塁では、村上が詰まりながらも中前に落とし3点目を追加。「良い当たりではなかったが、タイムリーになってくれて良かったです」。1死一、三塁から中村の犠飛で貴重な4点目を加えた。

右打ちの山田と青柳の通算成績は41打数5安打の打率1割2分2厘。14日DeNA戦で先頭打者弾を含む2安打を放ち復調の兆しを見せたとはいえ、先発を外した。実際、この日の青柳からの4安打は、すべて左打者。4月22日は6人、7月8日は7人の左打者を並べながらも、どちらも3安打に封じられていたが、「三度目の正直」で左攻めがようやくはまった。高津監督は「フォアボール、小技も絡めながら、3回で4点取ったので。十分というとあれだけど、研究、勉強した結果。よく攻略したと思います」とうなずいた。

12日DeNA戦からの3試合は、8番長岡、9番投手を除き、4番村上以外の全ての打順を動かした。この日は5番に小技のうまい宮本、6番に中村を配置。指揮官は「ムネ(村上)以外、どうやって組んでいこうか悩んだけど、どこからでもバントや作戦が出来るようにしたかったので」と意図を説明した。

7連敗のトンネルを抜けてからの2連勝。再び上昇気流をつかみかけているが「積極的な采配かと言われればあれですけど、何か仕掛けていかないとというのは常に思っています」。首位独走の現状にも満足せず、常に最善を求めていく。【鈴木正章】

【関連記事】ヤクルトニュース一覧