日本ハム谷内亮太内野手(31)が攻守で躍動し、BIGBOSS采配に応えた。

今季2度目の「3番二塁」でフル出場。3回に決勝点となる右中間2点適時二塁打、守っても好捕連発で存在感を光らせた。左投手対策で起用され5打数2安打2打点の活躍。10年目のシーズン終盤、覚悟がにじむ守備職人がヒーローになった。

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勝利の主役、ヒーローインタビューのマイクを握った谷内は「加藤に勝ちを付けるために」「加藤のリズムがすごく良かったので」と、攻守での活躍を謙虚に振り返った。優勝の可能性が完全消滅してから一夜明け、仕切り直しの一戦で「3番二塁」でスタメン出場。同打順で先発した前回8月9日西武戦は3打数無安打だった。「今日やらないと、今後もう一生ない」と人知れず覚悟をにじませ臨んでいた。

第1打席に幸先よく中前打を奏でると、3回1死一、二塁の第2打席。「走者をかえすには、何とか事を起こさないと始まらない」と右方向への打球を意識。早川の5球目の143キロ直球系を捉え、右中間を割る2点適時二塁打を放った。8月14日ロッテ戦では、送球が当たりながら三塁走者として本塁生還を果たすシーンがあった。「あそこの走路に入っていくのがベストだとその瞬間に判断したので、ああいう形になった」と走塁でも、事前に狙いを定めて結果につなげている。

新庄監督は「なんか打つ気がしたんですよね。左ピッチャーだったし。加藤君がセカンドゴロ多いってことで守備で」と起用理由を説明。この日は二塁手に10度の守備機会があった。谷内は「ちょっと心折れそうになった」と苦笑い。6回に一、二塁間を抜けそうな打球をダイビングキャッチ。制球力ある加藤の投球から打球の行方を予測できたたまものだった。「もう間に合わないと思って飛んだら(グラブに)入っていて自分でもビックリした。先頭打者をああいう形でアウトにとれたことは良かったです」と納得した。

10年目のシーズンも、残り1カ月を切った。「自分の成績を残していくことも1番大事だと思うんですけど、その試合試合で重要なポイントって絶対にあると思う。そういうところで何とか仕事ができる選手になりたいなと思っています」。先行する名手のイメージとともに、打力でも存在感を示していく。【田中彩友美】

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