NPB全12球団スカウトを前に快投を見せた。東都大学野球2部は6日、秋季リーグが開幕。専大が今秋ドラフト候補の最速152キロ右腕、菊地吏玖投手(4年=札幌大谷)の完封で立正大を下した。菊地は「ブルペンでの感覚が良かった。力を入れなくてもいいボールがいきそうだと思ったら、その通りになりました」と手応えをつかんだ。

最速149キロの直球にツーシーム、左打者の外角にはスライダーが決まり、9回を4安打5四死球7奪三振でまとめた。視察したヤクルト小川GMは「どんな球でもストライクが取れる。(追い込んでから)決めに行く真っすぐもコントロールされている。大学生の中でも完成度が高い」と評価した。

大学日本代表の経験が菊地を成長させた。今夏出場したハーレム・ベースボール・ウイークでは、オープニングラウンド第3戦で勝利投手になるなど、3試合に登板。計8回を無失点に抑えた。チームでは持ち前の明るさを発揮し、ムードメーカー役も担った。

斎藤正直監督(62)は代表後の変化を「集団でもまれて、一皮も二皮もむけてきた。春はピンチを迎えると力んで、(失点)となっていた。今日はブルペンでの調子を維持出来ていた」と評価した。来月20日のドラフトを前に菊地の進化が止まらない。【阿部泰斉】

◆菊地吏玖(きくち・りく)2000年(平12)6月13日、北海道苫小牧市生まれ。小2から野球を始め、苫小牧青翔中時代は苫小牧中央ポニーでプレー。札幌大谷では背番号1を背負った1年春に道大会優勝。専大では2年秋にリーグ戦初出場。これまで2度、2部で最優秀防御率を受賞。今夏大学日本代表に選出。183センチ、93キロ。右投げ左打ち。

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