オリックスが史上初となるリーグ最終日の逆転Vで、2年連続14度目の優勝を決めた。仰木監督やイチローらを擁した95、96年以来のリーグ連覇。勝利が絶対条件だった楽天戦に逆転勝ちし、優勝マジック1だった首位ソフトバンクがロッテに逆転負けしたため、同率ながら対戦成績が上のオリックスに凱歌(がいか)が上がった。

前回連覇を含む90~00年に球団代表を務めた井箟重慶氏(87=関西国際大名誉教授)が祝福のコメントを寄せた。

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混戦を勝ち抜いての優勝は大きな価値があります。今はまったく球団に関わっていませんが、外から見ていて驚きました。

95年の優勝時は野手でイチローが22歳、田口壮が20代中盤。投手では高卒2年目の平井正史がリリーフで15勝27セーブと大活躍。若い選手たちを現監督の中嶋聡、現GMの福良淳一らの中堅、ベテランががっちりと支える構図でした。

今のチームは若手や経験の浅い選手ばかりです。なのにこれだけ躍進できたのは、ひとえに監督の手腕です。失礼ながら、現役時代の中嶋くんからは想像ができない。日本ハムで長く選手兼任コーチを務め、1軍だけでなく2軍やコーチ業を身をもって知った。

必死に勉強したのだと想像します。その環境におかれても勉強しない人は全くしないのですが、彼は違いました。努力のたまものです。

日本ハムからオリックスに呼び戻したことは大正解でした。若手中心だと戦いが危なっかしくなるものですが、監督が完全にカバーしている。起用やケアなどの選手管理に長(た)けています。

スタッフ、コーチ陣との連係も非常にうまいそうです。ここは彼が阪急、オリックスの生え抜きという背景も効いているように映ります。

「編成がしっかりしていると強くなる」。長年、フロントをやって強く感じました。今回の連覇は編成の勝利でもあります。その編成部門をまとめる福良GMの功績も大きいです。(談)