先頭立て! 阪神岡田彰布監督(64)が15日、主力5選手に対してリーダーの自覚を持つことを促した。第4クール1日目の練習前に円陣で大山悠輔、佐藤輝明、中野拓夢、伊藤将司、西純矢の名を呼んだ。

「アップからお前らが先頭で引っ張っていけ!」

秋季キャンプ初日以来の訓示だった。ゲキを受けた5選手は、直後に5列に分かれたウオーミングアップの先頭に立ち、声出しを行うなどしてチームメートを鼓舞した。

指揮官は、チームリーダー不在の雰囲気を感じ取っていた。「大学、社会人(出身の選手)で、キャプテンやってたやつ誰かおるかと思ったけど、なあ、今来てるメンバーで(ほとんど)いないんやな」。坂本、熊谷は大学時代に主将を務めていたことを伝え聞き「そういう、引っ張っていくというか、なんかそういうのが見えんもんなあ」と渋い表情だった。

自らの現役時代を回顧した。「俺らでもベーラン(ベースランニング)で先頭走ってたもんな。選手会長の時はな」。リーグ優勝、日本一に輝いた85年から3年間選手会長を務めた経験があり、リーダーとしての役割を発揮していた。現状の物足りなさを感じたもようだ。

21年シーズンで主将を務めていた大山は「僕はずっとそういう気持ちでやっています。1軍でやってきたところはあるので、『やっぱり違うな』というのを感じてもらえれば」と背中で引っ張る決意。佐藤輝は「しっかり引っ張っていけるように、まずは自分の成績を出せるように頑張っていきます」。21歳の西純は「『僕かあ』と思って、ビックリしました。そういう気持ちも少しは持ちつつやろうかな思います」と受け止めた。キャンプも残り約1週間。「もう最後の締めやからな」と指揮官自ら行動に移し、空気をピリッと締め直した。【古財稜明】

 

○…来季プロ14年目の原口がレギュラー争いへアピールを強調した。残留組の鳴尾浜球場で左翼守備に再挑戦中の30歳は「春からアピール合戦じゃないけど、そうなると思う。ファーストと外野でいい練習をして準備していきたいなと思う」。チーム屈指の勝負強さで今季終盤にはクリーンアップも務めたが、貪欲に定位置を狙う。

○…和田2軍監督が来季2年目を迎える森木の年内ノースローを明かした。兵庫・西宮市の鳴尾浜球場で取材に応じ、「(感触を)試すくらいのことはするかもしれないけど、本格的にはしない。痛みが取れてからなので年明けから」と語った。森木は10月のフェニックスリーグで首の張りを訴え、秋季キャンプのメンバーから外れていた。同球場の残留練習でも別メニュー調整している。