岡田阪神の助っ人が出そろった。阪神がジェレミー・ビーズリー投手(27=前パイレーツ)との獲得交渉で大詰めを迎えていることが19日、分かった。

中継ぎ右腕として期待される。また、岡田彰布監督(64)は先発右腕のブライアン・ケラー投手(28=前レッドソックス3A)との交渉も合意間近と明かした。シェルドン・ノイジー内野手(27=前アスレチックス3A)、ホアン・ミエセス外野手(27=前レッドソックス3A)の獲得も濃厚。来日1年目を終えたカイル・ケラー投手(29)の残留もこの日正式決定した。

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岡田監督が最後まで探していたリリーフ投手は、メジャー右腕のビーズリーに決まりそうだ。今季はブルージェイズで9試合に登板し、15回で19奪三振、防御率4・80。188センチから伸びのある直球とスプリット、大きく曲がるスライダーが武器だ。映像をチェックした岡田監督は名前こそ明かさなかったが、この日「変化球も良かったな。ボール自体は一番良かった」と新助っ人候補を評価した。

今季は膝の故障もあり、シーズン中盤から3Aでプレーした。だが、オフにはウインターリーグで元気に登板し、メディカルチェックもクリアしたことでGOサインが出たとみられる。岡田1次政権では勝利の方程式JFKを作り上げたが、ビーズリーも最大5人で回す新勝利の方程式に入った上で、1年間フル回転が期待される。

また、岡田監督は先発タイプの助っ人としてブライアン・ケラー投手とも合意間近となっていることを「ほとんど決まりやろ」と明言した。身長190センチ、95キロの長身右腕で、リーチを生かしたスリークオーターから、150キロ台中盤の直球を軸に、カットボール、スライダー、カーブ、ツーシーム、チェンジアップなど多彩な球種を操る。

こちらはメジャー経験こそないが、指揮官は「右は打ちづらいなっていう印象やな。バッタバッタ三振とか、そういうタイプじゃないな。コントロールええよ」と評価。起用は「先発よ」と明言した。救援陣にはこの日残留が正式発表されたカイル・ケラーがいるだけに「そんなん(新助っ人も)後ろやったらややこしいやろ。どっちもケラーやん」と苦笑いだ。

野手では補強ポイントだった右の強打者の獲得も近づいている。不動の外野手としてクリーンアップ候補のノイジー、マイナー通算140発で伸びしろが楽しみなミエセスの2人。順調に合意に至れば、岡田阪神の来季助っ人5人全員が決定する。新助っ人4人はいずれも20代後半と若さも魅力。悲願の18年ぶりの「アレ(=優勝)」へ、頼もしい新戦力となる。

◆ジェレミー・ビーズリー 1995年11月20日生まれ、米ジョージア州出身。クリムゾン大から17年ドラフト30巡目でエンゼルス入団。マイナーを経て20年にダイヤモンドバックスに移籍。同年8月にメジャー初登板。21年はブルージェイズに移籍。22年8月にパイレーツ移籍。メジャー通算18試合登板で0勝1敗、防御率5・84、1ホールド。マイナー通算は108試合登板で22勝17敗、防御率3・47、6ホールド、3セーブ。右投げ右打ち。188センチ、106キロ。

◆阪神岡田監督の勝利の方程式 第1次政権で優勝した05年にはジェフ・ウィリアムス、藤川、久保田の3人でJFKトリオを形成。指揮官は3連投以上を避ける傾向の現代野球に合わせ、来季は最大5人ほどで休養をさせながらの勝利の方程式を考えている。湯浅、岩崎、浜地、ケラーに加え、ビーズリーや石井、岡留らが候補となる。

 

▽NPB球団で同僚となった同姓外国人選手

◆リー兄弟(78~82年ロッテ)77年に来日した好打者の兄レロン・リーを追って、弟は翌年来日。登録名はレオンとした。リーの通算打率3割2分は日本最高。レオンは大洋(現DeNA)とヤクルトにも在籍し、日本通算268本塁打。

◆K・ジョンソン&DJ・ジョンソン(20年広島)クリス(K)は15年最優秀防御率、16年沢村賞と実績十分の左腕。一方のダニエル(DJ)は20年来日し、広島では14試合登板。シーズン途中に金銭トレードで楽天へ移籍した。

◆R・マルティネス&A・マルティネス(18~22年中日)ともにキューバ出身で、いずれも育成からはい上がった。ライデル(R)は今季セ・リーグ最多セーブ。アリエル(A)は異例の外国人捕手として、懸命のプレーで愛された。

 

◆ブライアン・ケラー 1994年6月21日生まれ、米ウィスコンシン州出身。ウィスコンシン大・ミルウォーキー校から16年ドラフト39巡目でヤンキースと契約。今季はレッドソックス傘下3Aウースターに所属し、主に先発で31試合に登板し、6勝5敗、防御率3・27。メジャー経験はなし。マイナー通算129試合の登板で、34勝27敗、防御率3・18。身長190センチ、95キロ。右投げ右打ち。

 

◆阪神来季の先発ローテ候補 今年先発の柱としてローテを守った青柳、伊藤将、西勇が来季も中心。6勝の西純、右肘トミー・ジョン手術から復活し4勝した才木は来季フルシーズンの活躍が期待される。中継ぎで53試合に登板し、防御率2・57と抜群の安定感を誇った岩貞の先発再転向プランも浮上。そこにブライアン・ケラーが加われば、質、量ともに強力な先発陣を築ける可能性が高い。実績のある秋山、今年開幕ローテに抜てきされた左腕桐敷らも控える。