日本ハム伊藤大海投手(25)が、建山義紀投手コーチ(46)に先発希望を“直訴”した。

4日、札幌市内で行われたトークショーに参加し、司会役の同コーチの前で、さりげなくアピールした。昨年の東京五輪でも選手とコーチの間柄。金メダルに貢献した伊藤の抑えへの適性を評価し、就任会見でも1プランとして転向を示唆していた同コーチに、先発への強い思いをぶつけた。

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伊藤が直接、自らの思いを伝えた。“勝負”はトークショー前からだ。司会役の建山投手コーチに打ち合わせで対面し、早速「(先発がやりたいと)さらっと言いました」。さらにイベント内で来季目標を問われると「今季は2ケタ勝てたけど、負けというおまけもついた(10勝9敗)。来年、そこをしっかり取り返したい」と、さりげなく先発希望をアピールした。

新庄監督は抑えとしての適性も評価し、今季終盤2試合で救援登板させた。建山投手コーチも就任会見で「リリーフが防御率も悪かったし、そこで試合を落とすこともあったので整備は大事。それ(伊藤の抑え)も1つの案として考えています」と話していたが、この日の伊藤の“2段階直訴”を、しっかりと受け止めた。「意思を明確にしてくれるのはありがたい。そういうエネルギーは大事。沢村賞を狙いたいという発言も知っている。それだけの思いがあるということ」。投手陣を束ねる者として、元投手として、伊藤の意見を尊重した。

トークショー終盤で新球場エスコンフィールド北海道での目標を問われた伊藤は、「最初の勝利投手」と記した。これに司会の同コーチが「抑えで出て来てサヨナラで勝利投手ではないですか」と突っ込むと「どっちもありですかね」と“大人の対応”を見せ、会場を盛り上げた。思いの丈はすべて伝えた。あとはボスの判断に委ね、準備を整えていく。【永野高輔】