オリックスの「ラオウ」こと杉本裕太郎外野手(31)が8日、大阪市内で契約交渉を行い、200万円増の7200万円でサインした。青学大の後輩でもある吉田正がレッドソックスと契約合意。「ずっと一緒にやってきたので、自分のことのようにうれしい。優勝して、ボストンに旅行に行きたい」と喜んだ。移籍先は左翼が狭く、「グリーンモンスター」と呼ばれる高いフェンスが設置されている。「幸い、レフトが狭い球場なので守備は少し助かると思うので、その分、打撃に集中して彼なら活躍できると思う。頑張ってほしい」とエールを送った。

杉本自身は好不調の激しいシーズンだった。開幕から打撃不振に苦しむ一方、日本シリーズではMVPにも選ばれるなどポストシーズンで存在感を発揮。吉田正が抜ける来季は、より責任のある立場になる。打撃向上へ、今オフは志願して、楽天浅村と初の合同自主トレを行うことを明かした。「逆方向にすごく打球が飛びますし、インコースもきれいに回って打つイメージがある。いろいろ教えてもらいたい」。2年前にバットをもらい、同じ形のものを今も使用している縁がある。

西武から森がFA加入するが、杉本が4番の筆頭候補だ。「1年間、中軸を任せられるように頑張ります」。リーグ屈指の右打者である浅村の技術を盗み、2年連続日本一を手土産に、ボストンに向かう。

<恩師も吉田正に驚き>

吉田正にとって青学大時代の監督、河原井正雄氏もメジャー電撃移籍に驚いた。練習を見つめ「プロに行って、ここまでなるとは思わなかった。絶対に打率は残すと思っていたけど。ここまで評価されるようになったのは驚き。メジャーで肩とか足とか求められるだろうから。本人も驚いていた」。日本シリーズの前後からメジャー願望を聞いており、夢をかなえた教え子に目を細めた。

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