ミエちゃん、日本でも特大弾や! 阪神の新外国人ヨハン・ミエセス外野手(27=レッドソックス3A)が27日、兵庫・西宮市内で入団会見に臨んだ。

前日26日に虎助っ人5人の中で一番乗りとなる来日。マイナー通算140発の怪力に加え、右翼守備にも自信をのぞかせた。チーム18年ぶりのアレ(=優勝)に向け、体重120キロの巨漢ドミニカンが右翼争いに殴り込む。

    ◇    ◇    ◇

グレースーツの大男が、会見場の入り口でペコリと頭を下げた。のそりのそりと歩を進めて着席。少し身を縮こまらせていたミエセスの表情が緩んだのは、ヘアスタイルについて尋ねられた瞬間だった。

「この髪形、好きなんだ。いつもこの色合いにしていたよ。黒と金色でね」

髪を編み込んだドレッドヘアの毛先は黄色系統。意図せずタイガースカラーだ。「チームメートが『ミエちゃん』って呼んでくれた。すごくお気に入り」とニンマリ。さっそくチームに溶け込んだ様子だった。

昨年はレッドソックス傘下3Aウースターで60試合に出場。右翼で39試合に先発し「自信があるのはライト」と力を込める。右翼はドラフト1位森下を筆頭に競争必至。岡田監督は「(外国人の)枠的には入れるけど、日本の選手との兼ね合いになる」と説明し、まずはキャンプで巨漢助っ人の実力を見極めにかかる。

21年6月にはウースターの本拠地ポーラーパークのスコアボードを越え、線路を通過する列車にぶち当てるアーチを放った。「1軍の戦力でいけるんやったら、当然入れてもいいし。外野手で右いうのが大きいよな」。指揮官の期待値は決して低くはない。

岡田監督は現状、外国人野手を2人同時にはスタメン起用しない方向性を明かしている。ミエセスは同じく新助っ人のノイジーと左翼を争うと予想されるが、1、2軍合同で予定されている2月11、12日の紅白戦で特大弾再現となれば…。一気に右翼の有力候補に浮上する可能性も秘める。

母国にいる家族としばしの別れには「ちょっと寂しいな…」。185センチ、120キロの巨漢は早くも少々ホームシック気味だが、バットを握ればスイッチは入る。会見後は室内練習場でフリー打撃など計184スイング。キャッチボールも含め、約1時間汗を流した。

「ホームランもですけど、ヒットを打ったり平均的に打率を上げていくのが大事。優勝に導けるようにやりたい」

背番号55。ドミニカンゴジラが日本で暴れ回る。【中野椋】

〇…球団施設を訪れた阪神岡田監督はミエセスと対面し「頑張れ。ええ体してんな」と声をかけた。独特のヘアスタイルに「帽子かぶれるか? 」と心配。迫力満点の助っ人について「まあ、なあ。風貌で判断したらアカンからな。しゃべったら優しいなあ」。想像とは違ったようだ。昨年11月に獲得に動いている時には「迫力あるで。ベンチの真ん中に座らせたら」と話していたが、この日は「まあ、威圧感というか、野球で働いてもらわないかんからな」とバットに期待した。

◆阪神の両翼争い 中堅は近本で確定。外野の定位置争いは両翼に限られる。岡田監督は現状、助っ人野手の同時起用はしない方針。新外国人ノイジーとミエセスのいずれかを左翼で起用する構想だが「ノイジーの方は一応メインで取った」と話しており、左翼本命はノイジーとみられる。右翼はドラフト1位森下を筆頭に激戦区。打撃開花に期待の井上、前川の若手勢、力強い打撃で岡田監督の評価が急上昇した板山、中堅組の高山らで争う。打撃でアピールに成功すれば、ミエセスの右翼争い参戦もありそうだ。

 

★ミエセス・アラカルト

◆生まれ 1995年7月13日。ドミニカ共和国サントドミンゴ出身。右投げ右打ち。

◆最重量級 昨季の12球団最重量はソフトバンク・リチャードの117キロ。120キロのミエセスは球界最重量級だが「シーズンに向けて絞っていきたい」。

◆家族愛 家族は妻と1歳6カ月の愛娘。いとこ2人とも同居。「後で家族も(日本に)来てくれる。自分のサポートに間違いなくなってくれる」。

◆怪力 レッドソックス傘下ウースター時代の21年6月4日には、球場の左中間場外を走る列車に直撃する特大弾。マイナーリーグ公式サイトの21年トップホームラン部門で3位に。

◆趣味 釣り好き。母国では「川で大きい魚が釣れた」。日本では「寒いのでやれないかな」と断念。ドラマ鑑賞にシフト予定。

阪神ニュース一覧はコチラ>>