新加入の日本ハム田中正義投手(28)が、クローザー候補に急浮上だ。

阪神とのオープン戦で1点リードの8回にマウンドへ。この日の最速は152キロ。剛速球を軸に力押しで3者凡退に仕留め、新庄監督も「先発だとスタミナがどうかなと思っていたけど、今日の感じは良かった」と、リリーフでの投球を大絶賛。9回には、現時点で抑えに決まっている石川直也投手につなぎ、盤石リレーで1点差を守った。

今オフ、ソフトバンクへFA移籍した近藤に代わり、人的補償で日本ハムに加入。田中正の希望で入団後後は先発に挑戦していたが、なかなか後ろが決まらないチーム事情もあって配置転換となった。新庄監督は「バッターが打ちに行くと、ボールが半個分くらい伸びていく。『来た!』って思って振っても、当たらない」と感心。新天地でリリーフデビューした右腕は「1イニングなので全力を出し切ることをテーマに投げた。押していくのが僕のスタイルなので(救援だと)強調される」と納得顔だ。

石川を脅かす存在として、勝ちパターンの救援テストをクリアした田中正。新庄監督は、どちらが8、9回を投げるか開幕まで競わせる方針で「これも競争です」と、目を光らせた。【中島宙恵】

○…ジョン・ガント投手が先発し、2回36球を投げて1安打2四球1奪三振、打たせて取る投球で無失点に抑えた。開幕に向けて実戦での調整を進めていく。「試合に慣れて、ゲーム勘を出せたら」と語った。球審から投球前に指をなめないよう注意を受ける場面があり、「なめたことで毎回ボールを変えないといけなくて、球審に迷惑をかけていた」と、日本野球への順応も1歩前進した様子だった。

○…上原健太投手が12日のオリックス戦(京セラドーム大阪)に先発する。予定しているイニング数は4~5回。「シーズンを見据えたイニングだと思う。状況によって修正するべき点だったり、ゲームの中で取り組んでいけるように意識したい」と話した。「この時期に先発として回っていることは初めてだと思う。自分の立ち位置をつかみ取れるように粘り強くやっていきたい」とアピールする。

○…野村佑希内野手が第1打席に右中間へ、第2打席には左翼へと2本の二塁打を放ち、4番の仕事をやってのけた。先制点にもつながった第2打席は「もう少し打球を上げたかったが、スイングは良くなってきている」と語った。新庄監督の期待も高く、オープン戦では4番起用が続いているが、思うような成績には届いていない。「自分にとって開幕前の大きな壁。オープン戦だが、まず結果を出さないと」と気を引き締めていた。

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