第5回WBCで侍ジャパンを3大会ぶり3度目の世界一に導いた栗山英樹監督(61)が27日、都内にある日本記者クラブで会見し、大谷翔平投手(28=エンゼルス)との間にある“あうんの呼吸”について語った。

今大会で大谷を招集できた経緯を問われた栗山監督は、申し訳なさそうに話を切り出した。

栗山監督 実を言うと(昨年)8月に(鈴木)誠也のところに行って、(菊池)雄星のところに行って、ダルのところに行って、翔平のところに行きましたけど、実は翔平とだけ(WBCに)出る、出ないという話はしていない。なんとなく…また(会おう)という感じだったんですけど(笑い)。そういう流れの中で、ただなんとなく、自分の中では(大谷はWBCに出場するという)感覚はあったので。

今大会に大谷が参加するという意思を感じ取ったのは、米国へ会いに行く前から感覚的に分かっていた。それまでに、エ軍で大谷の通訳を務める水原一平氏に米国でプレーする日系選手の調査を依頼していたという。報告を受ける中で「翔平の意見も当然、入ってくる」と、大谷からの助言も栗山監督に伝わっていた。水原通訳を通じて、侍ジャパンのために、何も言わなくても動いてくれていた大谷と、間接的なやりとりを積み重ねる中で、栗山監督の胸の内では昨夏の時点で、大谷のWBC出場は確信へと変わっていったようだ。

栗山監督 出る、出ないではなくて、感覚で(出場する意思が)分かるというか。言葉では言いづらいですけど、そういう感じなので。すいません。“そういう大事なことを言葉にしないんですよ、2人とも”。ただ、どういう方向性を(大谷)本人が考えているかは、感じ取っているつもりなので、はい。そういう感じなんです。

最高のハッピーエンドをもたらしたのは、言葉は要らない、日本ハム時代から脈々と続く栗山監督と大谷の絆だったのかもしれない。

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