リーグ戦8勝1敗1分で並んだ2校の対戦は、東農大北海道が1-0で函館大を下し、5季連続35度目の優勝を飾った。

最速145キロのプロ注目左腕、石沢大和(4年=網走南ケ丘)が5安打10奪三振で完封。金子隼人一塁手(4年)の適時打で奪った7回の1点を守り切った。

最後の打者を三振に切って取ると、176センチの主戦が両手を挙げ、空に向かって絶叫した。3日前の先発時は、初回に先制点をもらいながら、1度は逆転を許し、引き分けとなった。「今日は0に抑えることだけを考えた」。日本ハム、ロッテ、楽天の3球団スカウトが視察する中、スピードを抑え、コーナーを丁寧に突き9個の0を並べた。

毎日6食を食べて一冬で6キロ増量。さらにズボンがはきづらくなるほど下半身を鍛え上げ、大会に臨んだエースの力投に、主砲の金子が執念で応えた。この日は今大会で初めてバットをこぶし1つ分短く持ち、打席に入った。両チーム無得点の7回裏2死一、三塁の好機。内角直球につまりながら右前に運び、三塁走者をホームへ迎え入れた。「石沢が頑張っていたので、どうしても1本を出したかった。汚いヒットでしたが良かった」と、4番が会心の笑みを浮かべた。

6月5日開幕の全日本大学選手権(東京・神宮ほか)では、初戦で日体大(首都)と対戦する。三垣勝巳監督(42)は「苦しい試合になることは分かっていますが、チャレンジャーとして臨みたい」と話した。金子は「この冬、自分たちは全国制覇を目標にやってきています。自分たちの強みを最大限に生かして実現します」と意気込んでいた。【中島洋尚】