オリックスの3年目右腕、山下舜平大投手(20)が開幕から無傷の4連勝をマークした。

日米192勝右腕の楽天田中将大投手(34)に投げ勝ち7回を2安打無失点。4月11日の敵地登板でプロ初勝利を挙げた犬鷲軍団をこの日も圧倒し、対戦2戦2勝で12イニング無失点とした。チームも2連勝で3位ながら首位ロッテに2ゲーム差に迫った。

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オリックスの“新怪物”山下が、1週間遅れで「母の日」の勝ち星をプレゼントした。

1軍では初登板のほっともっと神戸で躍動した。7回2安打5奪三振無失点。自己最多104球を投げ、防御率は0・98と再び1点を切った。150キロを超えるストレートで詰まらせ、カーブでタイミングを外し、ときにフォークで空を切らせた。これで初勝利から4連勝。オリックスの投手で、初勝利から4連勝は11年の西(現阪神)以来だ。

楽天のレジェンド級右腕・田中将にも投げ勝った。「(自分が)野球を始めたころから、球界を代表するすごい投手。1点もやれないなと思っていた」と振り返る。「こういう試合をモノにできたのは次につながります」と胸を張った。

前回登板後、フォークボールの精度を高めてきた。直球とカーブを生かすためにも、フォークは重要。ブルペンなどで投げ込み、握りなども研究。平井投手コーチとデータを見ながらチェックもしてきた。バッテリーを組む森とのコンビで、序盤3回まではフォークをほとんど使わず、4回からはフォークの割合も増やし相手の目先を変えた。

「母の日」だった14日ソフトバンク戦は6回途中3失点で勝ち負けつかず。約1週間遅れで勝ち星をプレゼントできた。5月上旬の福岡遠征中に家族と会った。初勝利のウイニングボールは母の美智代さんに渡すと決めていたが「それがまだ渡せていません。寮に忘れてしまいました」。その代わり? に、母の日は兄と香水などのプレゼントを贈った。

子どものころ、祖母や母が作るボリューム満点の料理が食卓に並んだ。おいしいご飯をたくさん食べ、丈夫な体の基礎が作られた。働きながら3兄妹を育ててくれた母は「タフです。強い女性です」と尊敬する。自身も大人になり、ありがたみが分かる。だからこそ、感謝の気持ちを忘れない。「勝ててよかったです」。満面の笑みで、母にささげる4つめの勝ち星を喜んだ。【高垣誠】

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