ファン投票御礼の快投だ! 阪神村上頌樹投手(24)がヤクルト打線を6回4安打2失点に抑え、今季4勝目を挙げた。球宴の中間発表ではノミネート外ながら2位につける。ファンの期待に勝利で応えた。再び規定投球回に到達し、防御率1・47でリーグトップ。勝ち数、奪三振数とも同2位で、「3冠」も夢ではない。チームは3連勝で、5月の勝ち越しも決定した。

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三塁側スタンドの阪神ファンは、びしょぬれになって叫んでいた。「村上く~ん、ありがとう!」。三塁側ファウルゾーンを歩いて引きあげる村上が、ペコペコと頭を下げる。タオルで顔を覆いながらも、しっかりと思いは届いていた。

「追いつかれないように。なんとか粘りたいと思っていた」。勝負どころは6回。山田に2ランを浴び1点差に迫られた。最後は4番村上。この日100球目、低めにチェンジアップを決め空振り三振に仕留めた。今季9度の対戦で被安打1。この日も3打数無安打。虎の村上は「村神様」の降臨を許さない。

前日22日に発表された球宴の第1回中間発表では、先発部門で1位の巨人戸郷と197票差の7217票で2位にランクイン。この日の第2回中間発表では戸郷に433票差と引き離されたものの、1万2106票で2位をキープしている。公式投票用紙の球団名、守備位置、背番号をマークシートで塗りつぶす必要がある「ノミネート外」の男は感謝しきりだ。

「ノミネートされてないのに票入れてくださるのはありがたい」

6回2失点でファンへ御礼の4勝目。規定投球回に再び到達し、防御率1・47でリーグトップに浮上した。勝ち数、奪三振も2位。このまま快投を続ければ…。逆転のファン投票選出も十分見えてくる。新・火曜日の男は「ただただチームのためにやれば、ついてくる。自分のことじゃなくてチームが勝てるようにやっていきます」とあくまで平常心。フォア・ザ・チームで突き進む。

100キロ台のスローカーブも多投し「これからもデータ入ってくると思うので、そういうのもあるぞと」。今後への種をまくクレバーな一面も発揮した。岡田監督は「十分じゃない? 今日の雨とか寒さと。今日はあんまり条件はよおなかったもんな」と合格点。気温15度を下回る中、24歳の熱投で3連勝をつかみ貯金は今季最多の12だ。試合終了間際から降り始めた強い雨も、虎党にとっては心地よかった。【中野椋】

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