日大が駒大に先勝した。 ヤクルト村上宗隆内野手(23)を兄に持つ日大・村上慶太内野手(1年=九州学院)が、代打で初安打、初打点を挙げた。

5-1で迎えた8回表、1点を挙げ、なおも2死一、三塁。村上は代打を告げられると、緊張を和らげるために「気持ちは熱く、頭は冷静に」と言い聞かせるように打席に向かった。1ボールの後、2球続けて真っすぐを空振りすると、ベンチから片岡昭吾監督(45)が声をかけた。「当たらないなら短く持て!」。すぐに指2本分、短く持つと、フルカウントからの直球をバットの先で捉えた。打球は詰まりながらもライトの前へ。三塁走者を迎え入れ7点目を挙げた。「うれしい気持ちと、これからもどんどん頑張っていこうという気持ちです」と笑顔を見せた。

やっとつかんだチャンスで結果を残した。試合前半はベンチの最前列で大きな声でチームメートを鼓舞。中盤からは、ベンチ前でバットを持ちスイングするなど、片岡監督へのアピールした。「代打に選んでくださったので、なんとか期待に応えようという思いで打席に立ちました」。ベンチに戻ると、先輩たちと笑顔でハイタッチ。「みんな自分を歓迎してくれた。ものすごくうれしかったです」と、最高の一打になった。

片岡監督は「フリーバッティングでも遠くに飛ばしますし、追い込まれてからの対応力もある。打席では振ってくれるので、何か起きるんじゃないか、という期待感がある」と評価した。

村上にとって大学野球は始まったばかり。試合後「兄に報告するか?」と質問され、「とくにこちらから伝えることはないです。あっちから連絡が来たら報告しますが(笑い)」と、照れ笑いを浮かべた。「次の試合も、しっかり初球からどんどん振っていって、期待に応えられるようにしたいです」と、元気よく話した。