若きメガゴジラが、初のクリーンアップ出場で躍動した。

巨人秋広優人内野手(20)が「3番右翼」でスタメンに名を連ね、1回1死二塁で左翼へ適時三塁打を放つと、5回にも左翼へ得点へとつながる二塁打。松井秀喜以来となる20歳以下のクリーンアップ出場で4打数2安打1打点と結果を残した。接戦を制したチームは3カード連続の勝ち越しで貯金を2とし、2位DeNAに2ゲーム差に詰め寄った。

   ◇   ◇   ◇

身長2メートルのメガゴジラ秋広は肝っ玉も大きい。試合前に「3番右翼」での先発を伝えられると、復帰初戦の中田翔が冗談交じりに言った。「俺6番でお前が3番か…」。秋広は「『休み明けでクリーンアップはまだ早いです』と言っておきました(笑い)」とスパッと切り返した。すっかり頼もしくなった弟子の姿に師匠も笑うしかなかった。

大役を堂々と全うした。球団では松井秀喜以来となる20歳以下のクリーンアップだった。「恥ずかしい打席はできない。特に変えることなく」と心がけた。1点を追う1回1死二塁、DeNA東の148キロ直球を詰まりながらも左翼へ運び、一時同点の適時三塁打。2点を追う5回1死からは左翼線への二塁打でチャンスメークし、大城卓の同点2ランにつなげた。

プロ8度目のマルチ安打で打率3割4分9厘、3本塁打と勢いは増す。原監督も「周りがあそこに置いたんではなくて、自分で行ったというんでしょうかね」と自ら勝ち取ったクリーンアップだと強調した。チームは逆転勝ちで東京ドームでプロ初勝利から5勝無敗だった相手左腕の東に7試合目で初めて土をつけた。背番号55が大きな背中になじんできた。【小早川宗一郎】

◆巨人の主な20歳以下クリーンアップ 20歳8カ月の秋広が初のクリーンアップとなる3番で先発出場。巨人で20歳以下のクリーンアップは93~95年の松井秀喜以来。松井は高卒新人の93年9月12日阪神戦で初めて3番に座った。当時19歳3カ月。クリーンアップデビュー戦は4打数無安打、押し出し四球による1打点だった。王貞治は2年目の60年4月26日(対大洋)、19歳11カ月で初めて3番を打ち、2打数1安打(2四球)で打点はなかった。

【動画】巨人秋広優人プロ初3番で同点タイムリー3塁打>>