日本ハム万波中正外野手(23)が、8号2ランを放ち、本塁打数でパ・リーグトップに並んだ。同点の3回2死一塁、ソフトバンク・ガンケルの変化球を弾丸ライナーで左翼ブルペンに突き刺し、打点でもパ・リーグトップのソフトバンク栗原と1差に迫る27まで伸ばした。この日は左脇腹負傷で2軍調整中の清宮幸太郎内野手(24)の誕生日。1学年上の先輩の早期復帰を願う、貴重な祝砲となった。

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万波が強烈かつ器用なスイングで、スタンドをわかせた。同点の3回2死一塁だ。「ジェイが2アウトから出てくれた。2死から3連打は難しいかなという考えもあるので、とにかく長打を打って何とかランナーをかえしたかった」と、ガンケルの初球、内角スプリットに反応。打球は低い弾道で飛び出し、4秒で左翼ブルペンに突き刺さった。

「何かすごいいい反応ができて。自分でも驚くくらい、いいバッティングだった」。これでソフトバンク柳田、西武中村、オリックス杉本と並ぶリーグトップの8号。そうそうたるスラッガーの名前に「うれしい。(本塁打)上位にいる皆さんの顔触れが、すごい選手ばかりなので。もちろんそういうところに割って入れるようにというのを目指して来ましたので」。そして「当然、その上を意識していきます」と、単独トップの座を目標に掲げた。

低い弾道だったこともあり「外野の上を越えればいいかなと思ったので、想像以上に伸びました」。打球に力強さが増した要因は、指揮官に指南された、ある試みにあった。20日のオリックス戦後、新庄監督にすすめられ、大阪でマイナス180度の液体窒素を浴びてきた。人生初の体験に「なんか、すごい体が軽くなったと感じました」。クールな刺激でたまった疲労を一気に吹き飛ばし、超絶ホットな1発につなげた。

この日は、2軍調整中の清宮の誕生日だった。今季序盤はともに中軸を担い、チームをけん引してきた。「試合前にお祝いのライン送ったんすけど全然返事が返って来なくて。何やってんだろう。でも、こうやって誕生日に勝利が届けられて良かった。キヨさんがいないから勝てないと言われないようにしないと」。アニキが復帰したときにはもっと上位にいられるように。まだまだ打ちまくり、チームを勢いづける。【永野高輔】