日本ハム鈴木健矢投手(25)が27日、楽天戦(楽天モバイルパーク)で今季4勝目を挙げた。

5月は敗戦が続き、眠れない夜を過ごす日も多くなっていたが、苦しみながら勝ち取った白星が安眠へと誘ってくれそうだ。制球には課題も残しつつも、交流戦前最後の登板でつかんだ勝利で勢いに乗っていく。

   ◇   ◇   ◇

鈴木が「ラストチャンス」と背水の意気込みで臨んだマウンドで、しっかり結果を出した。5回70球を投げて、3安打、4四球、無失点。5月に入り、思うように調子が上がらない投球について思案を深める一方、十分に眠れない日が増えていた。16日西武戦(エスコンフィールド)は4回2/3を投げて、3安打、4四球で降板。試合後は翌朝まで眠れなかった。「スライダーが人生で一番良くなくて。スライダーのリリースのことを考えてたら5時半でした」。待ちに待った勝ち星が睡眠導入剤になりそうだ。「寝られたらいいですね」と期待した。

不調だったスライダーの割合を下げる配球が効果的だった。「捨てるじゃないですけど、スライダーの割合を減らして」と、割り切った投球を勝利につなげた。飛球を誘うスライダーを減らし、ゴロアウトが多くなるシンカーを多用した。「セカンドゴロというか、そっちに打たせるイメージで投げました」。左打者が多い楽天打線への対策にもなった。「データを見たら左打者にスライダー打たれていたので」と、緻密な戦略も好投を後押しした。

1カ月ぶりの勝利を挙げたが、四球の多さは依然として課題だ。新庄監督も「7回まで投げてもらおうと思ってたんですけど、次も投げさせたらまた四球出しそうな雰囲気だったから早めに」と、70球で降板させた理由を明かした。鈴木は「(四球を)出したくて出しているわけではないですけど、やっぱりちょっと多かった。四球なかったらヒットも全然打たれなかったので」と反省を口にした。「攻められたかなとは思うので」とも話し、強気の姿勢は崩さずに制球力を高めて、さらなる安定感を追い求めるつもりだ。【石井翔太】

 

○…福田光が勝利への突破口を開いた。2回2死二、三塁で先制の中前適時打。「(26日は)チームとしてミスが出て負けてしまったので、今日はなんとかしたいと思っていた。抜けてくれてよかった」。前夜の悪夢を断ち切る一打が決勝打となり、連敗阻止に貢献。ヒーローインタビューで「明日も勝って2連勝したい」と連勝締めで交流戦へ臨むことを誓った。

【関連記事】日本ハムニュース一覧