体重116キロの「よくばり君」こと西武渡部健人内野手(24)が同点適時打を放ち、チームの連敗を4で止めた。

2試合連続の「4番一塁」で先発。1点を追う5回1死一、二塁、オリックス宮城から左前にはじき返した。20年ドラフト1位の期待の右強打者も昨季は1軍出場なし。2年ぶりの打点で、初の本拠地お立ち台に上がると「気持ちいいです!」と喜んだ。

好投手宮城に2球空振りで簡単に追い込まれても、「らしさ」を貫いた。「振った中での空振りはオッケー。中途半端な空振りだけはやめようと」。3球目の外角高め148キロ直球を三遊間へ。一塁上で大きくガッツポーズし、ベンチへ向かって両手を突き上げた。

体重102キロの中村の流れをくむ“ぽっちゃり系”で、チームでの愛称は名前から「ベッケン」。前日27日に右外腹斜筋損傷のため登録抹消になった中村に代わって1軍昇格した。緊張から「昨日から昼食えないっすね」と苦笑いを浮かべるが、その柔らかそうな体の芯には、しっかり筋肉が詰まっている。球団の管理栄養士と相談しながら、ここ1カ月は宅配弁当の「nosh(ナッシュ)」を朝夕に食べて体重管理。糖質や塩分を控えた冷凍弁当で「筋肉量が増えて体脂肪が減ってる感じ。いい状態でいるのでキープ、もしくはもう少し減らすっていう感じです」とうなずいた。

お立ち台ではファンからの「スターへの階段をのぼっていこうぜ」とのメッセージに、「のぼっていきま~す!!」と声を張り上げた期待の大砲候補。中村不在の危機を救う活躍で、スターへの階段を駆け上っていく。【鈴木正章】

◆渡部健人(わたなべ・けんと)1998年(平10)12月26日、神奈川県生まれ。横浜商大高から1年冬に日本ウェルネスに転校。桐蔭横浜大では1年春から4番。4年秋には8本塁打を放ち、リーグ新の23打点。20年ドラフト1位で西武入団。21年4月4日ソフトバンク戦でプロ初本塁打。同年2軍で19本塁打、64打点で2冠。昨季は1軍出場なし。愛称は「よくばり君」。ジャイアンのものまねが得意。176センチ、116キロ。右投げ右打ち。今季推定年俸1200万円。

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