ソフトバンク打線が、ようやく「令和の怪物」に一矢報いた。

3点を追う4回、先頭の中村晃がロッテ佐々木朗から7球粘って、チーム初安打の内野安打で出塁。続く牧原大は真ん中高めに抜けた144キロフォークをとらえ、右中間を破る適時三塁打。1、2番コンビの連打で、難攻不落の剛腕から今季16イニング目で初得点をマーク。さらに無死三塁から、近藤がきっちり左犠飛。1点差に迫った。

だが、完全攻略とまではいかなかった。この日最速の164キロ直球に、140キロ台後半で鋭く落ちるフォークに、打撃陣のバットは空を切った。2種類の球種とは分かっていながらも、初回から4回まで4者連続を含む毎回の7三振を喫し、序盤3回は1人の走者も出せず。藤本監督は「良いピッチャーの良い球はなかなか打ち返せないってことですね。でも、牧原(大)と近藤はよく打った」と今後の攻略への手応えは得た。

誤算は継投。7回から登板した3番手津森が1死も取れず、3与四死球にポランコに3ランを被弾。8回に登板した泉も制球に苦しみ、4四死球が絡んで3失点とリードをさらに広げられた。藤本監督は「津森はずっと抑えてくれてたので、たまにはこういう試合もあるでしょう」とかばったが、僅差での中盤勝負だっただけに「『よし、いける』という感じもあったんですけどね」と悔やんだ。

チームは昨季から続いていた本拠地でのロッテ戦連勝が7で止まり、首位と2・5ゲーム差に。だが指揮官は「貯金5でいい位置にいると思う」と、セ・パ交流戦へ気持ちを切り替えた。【佐藤究】

【関連記事】ソフトバンクニュース一覧>>