セ首位独走の勢いそのままに、阪神が交流戦初戦の初回に、わずか4球で先制した。西武先発は右アンダースローの与座。1番近本光司外野手(28)が初球内角直球を右中間フェンス上段、あと数十センチで本塁打という部分に当てる三塁打。「プレーボールでクイックだったので『あっ』って打ってます」と、いきなりクイック投法で来た相手にタイミングを狂わされることなく反応した。

続く2番中野拓夢内野手(26)が3球目の内角高め直球を右翼線へ先制適時三塁打。「近本さんが初球打ちで、すごくいい流れをつくってくれた。内角の少しボール気味の球をうまくたたんで打つことができた。チャンスだったらどんどん積極的にいこうかなと」と、笑った。

プレーボールからわずか1分51秒、チカナカの連続三塁打であっという間に試合の主導権を握り、さらにノイジーの遊ゴロの間に中野が2点目のホームを踏んだ。岡田監督は「そらミーティングしたけどな。なかなか初めての投手を初球から難しいけど。(近本は)手出たんやろうな、自然と。攻略するのは難しいわな」と、初回の速攻をほめた。

近本は7回にはクロスステップする左腕公文から左安を放ち今季19度目のマルチ安打をマークするとチーム最多6個目となる二盗を決めた。「タイミングがすごい合ってるんで。打席の中でも足の着き方とか、その都度修正しながら入ってるんで。めっちゃいいなって今日は思いました」と、この日は慣れない投手にもきっちりと対応した。中野は「(連勝中も)しっかりと1プレー1プレー大事にやっていかないと、いつ崩れるか分からない」と、9連勝にも浮かれることはない。チカナカコンビが交流戦もグイグイとチームを引っ張っていく。【石橋隆雄】

▼近本がリーグ最多7本目の三塁打。1年目の19年と並んで自己最多で、今季の本塁打数3本よりも多い。年間の143試合に換算すると21本ペースで、金田正泰(阪神)が51年に記録した日本記録の18本を上回る数字だ。

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