逆輸入ルーキーの歴史的な大活躍で、新庄日本ハムが交流戦単独首位に躍り出た。

米球界からドラフト3位で入団した加藤豪将内野手(28)が、来日1号を含む2打席連発。3回の第2打席でヤクルト市川からメジャーでもなかった1発を放つと、5回の第3打席でも同じような弾道で右中間へ運んだ。野球人生初の2打席連発。自称“担当スカウト”の新庄剛志監督(51)も大喜びだった。

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まるで、リプレーのようだった。右脇腹の肉離れで開幕に間に合わなかったルーキー加藤豪が、“担当スカウト”もビックリの大仕事をやってのけた。2-1と1点返された直後の3回、ヤクルト市川から来日初本塁打を右中間席へ放り込むと、5回にも、まるっきり同じような弾道でアーチを放った。マイナーでは55本塁打も、メジャーでは0本。実質“日米1号”に、「人生初」という2打席連発。初のヒーローインタビューでは「鎌ケ谷でリハビリをしている時、トレーナーやコーチ、いろんな人に支えられて、この球場に立つだけでも幸せ」と、周囲への感謝の言葉を並べた。

苦労人の活躍に一番喜んだのは、新庄監督だった。試合後、開口一番に「加藤豪将君のスカウトは誰だっけ?」と言いながら、誇らしげに自分自身を指さして大爆笑。「うれしい。なんか、スカウトになった気分や! 今年は(選手が)打った時、あまり握手しに行かないんだけど、初めて握手したんじゃないかな。ホームランが出て」と、打った本人よりも大喜びだ。昨年の夏ごろから、米球界でプレーする加藤豪に目を付けてラブコールを送っていただけに「びっくり、びっくり。ホームランバッターじゃないからね、彼は」と声を弾ませた。

チームは交流戦2連勝。まだ2試合目ながら、単独首位に立った。「(優勝賞金)3000万円も出るの!? 知らなかった。そりゃあ、裏方さんのために取りたいね。それを目指したいね」と新庄監督。「まだ(優勝を)目指せるね」と笑った。【中島宙恵】