阪神近本光司外野手(28)に、ヒヤリとするシーンがあった。四球で出塁した5回2死一塁。西武森脇のけん制球で、右手から一塁へ戻ったタイミングだった。一塁手渡部と接触。近本は首付近を抑え、一瞬うずくまった後、プレーを再開した。

すかさず二盗成功。リーグ単独トップとなる今季7盗塁となった。

近本は試合後、痛めた箇所を「首の方」と説明。6月1日以降の出場については「(明日)起きてからしか分からないと思います」としたものの、「大丈夫ちゃう? 大丈夫大丈夫」と強調した。テーピングなどもしておらず、表情は決して暗くなかった。

月間打率3割2分7厘と好数字を残した5月も振り返った。

「個人的なことを言うと、5月も5月で、いいデータも取れた。明日から6月、どう入っていくか。今日も明日も変わることはないですけど、6月のデータも取りながら。(打撃の)方向性も固まってきてるので」

この日は今季20度目のマルチ安打。2四球を含めて4出塁と気を吐いた。ただ、3回は好機で空振り三振に倒れた。「ランナーいるとこで打てなかったので、そういうところ」と反省。「もうちょっと冷静になった方が良かったのと…、(安打を)狙っていたからこそ、いっちゃったって感じかな。難しいね。そういうところの余裕も持てた方が良かったって感じかな」と冷静に語った。

チームは9連勝でストップ。「変に気にすることもなくなったので、楽にいけるんじゃないですか」。近本は最後まで丁寧な口調で、帰りのバスへと乗り込んだ。【中野椋】